「再・デリヘルをやってみた」



 毎月参加すると決めたので、今月も行ってきました。


 そう、デリヘル。


 この回だけ読んだ人のために一応前置きをしておくと、デリヘルと訳して言ってしまうと誤解がある。

 ここで言うデリヘルとは、正真正銘のボランティア活動である。二丁目のバーに、コンドームを配るという。

 もうデリヘルというワードに戸惑っていた私はとっくに何処かへ消えてしまった。会社の人たちにも「デリヘル行ってきます」と言って会社を出てきた。もうズブズブに二丁目に浸かっている。抵抗は皆無。

 今月は初めてソロ参加をした。仕事は結構忙しいのだが、毎月一回は参加すると決めたので、都合がいい日に参加させてもらった。

 前回は美人上司と一緒に行ったのだが、今回はひとりきり。知り合いがいなかったらどうしようと内心ビビりつつも、行ったらやっぱり楽しかった。よくわからないくらいに楽しかった。やっぱりなんだかこの会が好きだ。


 今回の個人的な目標は、お店のママさんに可愛いと言われること。

 なぜかというと、前回は別ルートで回っていた美人上司が褒められまくったという話が反省会ででて、「あんた全然言われてなかったじゃない」と反省会で吊るし上げられたからである。くそう。

 今回こそは……!と満を辞しての参加。化粧はばっちりで(自分なりに)参加してみた。


 この日もたまたま前回と同じコースを回り、「がんばってねー!おつかれさまー!」とあちらこちらで行ってもらいながらお店を回った。行ったことのあるお店もあったし、ちょっと慣れた気もする。


 私の可愛い戦争は、結果勝利に終わった。

 とあるバーで「あらー!女の子じゃない!かわいい〜」といち可愛いを頂いた。女の子だったら誰でも可愛いと言ってるんじゃないかと思ったけれど、そんなことはまあいい。可愛いは可愛いだ。ありがたく受け取っておいた。

 これを帰ってからみんなに報告したら二度も拍手を頂いた。「おめでとう」と大笑いで言われた。前々から哀れに思われていたのかもしれない。次は可愛いを目指そうと思った。くそう。




***



 そしてこの日、一番面白かったのは反省会。


 他の組で回ってた人の話がなかなか面白かった。

 お店を出る直前に「この人たちって何の活動してるんですかー?」とお客さんに言われて、説明する間も無くお店を出てしまった後、店から会話が聞こえてきたらしい。


「芸能活動ですかー?」

「うん、そうそう。そんなかんじー」


 さすがに適当すぎである(デリヘルの内容がわからない人は前のデリヘルをやってみた。という話を読んでほしい)。二丁目のママさんあるある。



 そして、メンバーの中に面白い人がたくさんいた。

 このボランティアを主催している団体さんは様々なイベントを行っているのだが、そのイベントの一つである男の人の息子を手でよしよしすることについての研究会のおさがいらっしゃったのだ。(すごく長い言い回しになってしまったが、短くしたらしたで問題そうなので許してほしい。)

 正直、すっごく気になっていた。カレンダーを初めて見たときから興味はあった。どんな人が教えているんだろうと思った。きっとゲイ向けイベントだろうから、ガチムチの男の人かなと思っていた。


 ――が、なんと女性だった。


 反省会で「お店でこの研究会って何?実際にやってくれるわけ?え?誰がやってくれるの?」と聞かれたという話になり、その質問に答えていたのが長だった。「みんなの前でやることになってもいいなら、なんてな」と笑っていたけど、実演は行っていないらしいので安心して(?)ほしい。

 「教えてるの女の子だよって言ったらがっかりしながら「なんだー」って言われたよ」と言われていたが、正直私もどんな会か気になってたのでナイスな質問だと思った。実際はディルドを使ってやるらしい。

 よく聞かれるのは「顎が疲れないお口の使い方」とのこと。参考までに。ちなみに私も聞いてみたい。


 ここまで書いて思ったが、これカクヨムにのせて大丈夫なのだろうか。アウトワードが盛りだくさんな気がする。まあいいや。



 あとは参加者ではないが、常連らしい男の人がいた。彼は自衛隊にいたらしく、その頃の話をしていた。

 彼曰く船上で性欲の処理に困ったことはないらしい。

「ヤりたくなったら、適当に声かけて処理してたわよ」

「トイレで三人で処理したこともあったわね」

 とのことだが、真偽のほどは不明である。ゲイバーで出会った方曰く、「オカマの言うことは7割が嘘」らしいし。


 そして、大阪帰りの若いお兄さんは差し入れをくれた。ビデオの撮影だったらしい。何のビデオかは察してほしい。


 そんなわけで手さばきが素晴らしいお姉さんがいて、陽気な人たちがいて、ビデオに出てるお兄さんがいて、バラエティ豊かな中々に濃かったデリヘルだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る