第41話 3/12
春風が吹いて、寒い冬に比べて体は元気になり、やる気も満ち溢れてきた。会社でも今年からhygge(ヒュッゲ)の考えに基づいて、自分で働く時間を決めるのであった。なんか自分のペースで年間労働時間の限度内で決めるのをみると大学時代に講義を選択した時のような感じを覚える。今日は裁量労働制の試用期間ということで、早めに職場を引き上げてお洒落な街を散策することにした。
「課長お疲れ様です。今日はこれにて失礼します。」
「分かった。精一杯楽しめよ。独身生活。」課長はそう言って俺をからかった。
「早く彼女が欲しいですよぉー。じゃあ失礼しますね。」
「うん。」
家に戻りスーツを脱ぎ、普段着になり街を散策することにした。
「腹が減ったなぁ。モスバーガーでも行こうか。」
モスバーガーは国産にこだわっていて社長がお腹いっぱいでも食べられるハンバーガーを目指して開発しているらしい。その話を聞いてますます太ってしまうではないかと俺は思った。
ポテトとハンバーガーを食べる。手間がかかっているので、手作り感を感じることができる。心のこもったハンバーガーのように感じた。
その後も古着屋巡りをしたり、インテリアを見たりしながら散歩を楽しんだ。
歩き疲れた。たまには甘いものもいいよな。
「いらっしゃいませ。ご主人様。」
人生初のメイド喫茶だ。
「この紅白ミルクレープというものを食べて見たいのだが。」
「かしこまりました。ただ今お持ちしますね。」
しばらくするとミルクレープが運ばれてきた。
白いミルクレープが二つ運ばれてきた。中身を確認すると蓋をした。
「ご用意が出来ました。では私の後に続いて、もえもえきゅん‼︎」
「萌え萌えキュン!」
そして再度蓋を開けると片方が赤いものとなっていた。
「これは一体どういうことだ?」
メイドは得意げに答えた。「化学変化ですよ。」
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