第26話 12/28

男は市役所に勤めるエリート公務員で名が通っていた。「課長!お疲れ様っす。」単なる頭でっかちというわけでもなく多少は砕けた部分も持ち合わせている彼はその夜、年に数日しか見せない伝説の顔を現すのであった。

DJ country bumpkinとしてクラブに入り御用納め記念のクラブナイトを始めるのであった。

「金融庁の立入検査、隈なく探すぜ社会のcancer。それはまるで身体検査」MCがそんなことをアドリブで言っている横でディスクを回すのがその男の仕事である。金曜日でもないが花金のように人々は盛り上がっている。

「楽しそうで何よりだな。」彼は周りの盛り上がり具合に喜びを感じた。

「さて昨日は映画の日ということで最後にとっても和むような映画を観てお別れとしましょう。それではまた来年!」司会はそういった。

それは一時間程度のショートムービーであった。公務員の働きによって小さな子供が救われるそんなお話であった。最後の台詞がとても印象的である。「俺たちは金の為に働いているんじゃねぇ。みんなの笑顔が見たいから働いているんだ!」と。そのような働きをしたいと彼は感じた。


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