白森家の婿養子となり、白森聖哉となった俺は零乃と一緒に新婚旅行へ行くことになった。お互いまだ学生である為に本当の新婚旅行ではなく、一般のツアーに参加した。募集型旅行のことである。

「ねぇ。零乃、どこに行きたい？」

「そんなの聖哉の好きなところに決まっているでしょ。どーせ、一流家庭の出じゃないんだからさ。行きたいところに行けば良いよ。」

「うるさいぞ。貧乏じゃないから全然ってことはないぞ。オーストラリアに留学したり、ドイツに行ったりね。じゃあベターにハワイでも行く？」

「ハワイは行ったことなかったね。」

善は急げということであっという間に決まり、関西国際空港を利用してハワイに向かった。ハワイではまぁ、それなりのホテルに泊まり、バカンスを楽しんだ。お互いにクシで髪をとかしあったり、オークションで買ったクラシックのCDを聞いたりしながら、ワインを飲んだり2人の時を愉しんだ。また、ハワイアンダンスを楽しんだり、ロコモコなどのハワイ料理にも舌鼓をうった。良いバカンスであった。