第39話 ナオミの最強の戦闘モード

 ナオミ達は、ついにルフクーダエ教授のいる大きな空間にたどり着いた。

 周りには、多くのシロッシロアリ達とマックロクロアリ達がいる中、ニンフルは向こうに見える穴の近くに横たわっていて、いつでも連れ去られる位置にいる。

 その前の方にルフクーダエ教授が剣を持って、こちらを睨んでいる。

 さらに、最も手前にはマキュリアル将軍が遊びに来ているような雰囲気で立っていた。

明らかに、今回の仕事は朝飯前の簡単な事だと思っている態度だった。

 スリーが最初に強い言葉で言葉を発した。


「ニンフルを返せ!!!」


 ルフクーダエ教授が静かに、そして、恨み口調で言い始めた。


「お前達が、私の愛する妹の未来を台無しにした。

 そればかりか、私の遠大な計画をも台無しにしてくれた。

 お前達には死が相応ふさわしいよ!!!」


 ナオミが冷静な口調で話し出した。

 マキュリアル将軍の心を乱して、こちらが有利にする為だ。


「ルフクーダエ教授。あなたはダークエルフの女王でしょう。これ以上何が望みなのですか?」


 ルフクーダエは驚いてナオミを見て言った。

 スリーとスースラムも、突然ナオミが言った言葉に驚いている。


「どうしてその事を知っている。

 お前達は知るはずのない情報!!」

「そこにいるマキュリアル将軍は、ダークエルフの中でも下から数えた方が早い魔力を持っていることも知っています」


 マキュリアル将軍の表情が一変した。


「何だと〜〜!!!!

 しかも、何で私の名前をお前が知っているんだ?」


 マキュリアル将軍は怒りに震え出した。

 こんな小娘が、ダークエルフの中でも強力な魔力を誇るマキュリアル将軍を小馬鹿にしたからだった。


「私は地球人。

 魔力の少ない貴方には無理な事。私にとっては、これぐらいの情報は朝飯前よ」

「おのれ〜〜、これでも喰らえ」


 怒りに震えているマキュリアル将軍は、呪文を唱え始めた。

 魔法だけの勝負だと、実戦経験の豊かなマキュリアル将軍にとって有利と判断したナオミは、剣による勝負の方を選んだ。


「スリー、スースラム、援護をお願い」


 そう言うとナオミは、マキュリアル将軍に立ち向かって行った。

 マキュリアル将軍が放った強力な魔法はナオミを直撃したが、強力な防御魔法によって霧散した。


 ナオミは弓を薙刀に変化させて、マキュリアル将軍に斬りかかっていった。

 マキュリアル将軍は、魔法が全く効かなかったことに動揺して、冷静さを徐々に失っていった。


「覚悟しなさいよ、マキュリアル将軍!!!」

「おのれ〜〜、小娘が。

 お前ごときにやられる私ではないよーーー!!!」


 そう言うと、マキュリアル将軍は剣を構えてナオミと相対した。


 一方、スリーは弓矢で、スースラムは魔法でルフクーダエに遠距離からの攻撃を開始したが、向こうも強力な防御魔法をしていて、効果がなかった。


 ナオミは渾身の力を込めて、最初の一太刀をマキュリアル将軍の顔面に振り下ろした。


「これでも食らいなさい!!」


 マキュリアル将軍は小娘の攻撃を甘く見ていた。

 剣で受けたにもかかわらず、ナオミの力に負けて額に深い切り傷ができ、そこからは赤い血が止まることなく流れ出した。


 ナオミは、実のお母さんから譲り受けた物があって、それを身にまとっている。

 それは軍用の強化スーツで、防御は勿論のこと、力も通常の4、5倍は出せ、スピードも5割は早くなる優れものだった。

 薄型で、服の上からだと装着しているのが全く分からない。細身のナオミからの、あまりにも強い一太刀にマキュリアル将軍は畏怖の念が巻き起こっていった。

 しかし、そこはダークエルフの将軍で、これだけでは降参するようなことはなかった。


「おのれ〜〜、おのれ〜〜、小娘が〜〜!!!!!」


 すぐに、マキュリアル将軍は反撃に転じて、ナオミを攻め立てた。

 しかし、既にマキュリアル将軍はナオミの作戦の罠にはまっており、尚且つ、ナオミがパワーで凌駕していたので、本来の実力を出せずにいた。

 そしてナオミは、マキュリアル将軍をさらに挑発をして、冷静さを崩していった。


「マキュリアル将軍の腕力は、私よりもないみたい!!!

 これは、朝飯前の仕事ね!!!」


 再び言った朝飯前の言葉に、マキュリアル将軍の怒りは頂点に達していた。

 反面、マキュリアル将軍は冷静さが無くなっていって、感情だけで戦っている状態になった。

 こうなればナオミの思う壺で、マキュリアル将軍は徐々に刀傷を増やしていき、そこからは赤い鮮血が止まることなく流れていた。


「はー、はー、はー!

 ここまで小娘がやるとは!!」


 ナオミは容赦なく攻撃を続けており、止めることはなかった。

 マキュリアル将軍の攻撃は徐々弱まり、全身が既に血だらけになって、右手は深い切り傷で動かなくなっていた。

 これで最後と判断したナオミは、お母さんから教わった強力な攻撃魔法を使った。


「キゼツスルノハアナタノカッテヨ」


 体力と気力が極端に落ちているので、マキュリアル将軍の防御も同じように下がっていた。

そこに、ナオミの強力な攻撃魔法でマキュリアル将軍は気絶した。


「あとは貴女だけよ、ダークエルフの女王。

 ニンフルを解放してもらいましょうか?」

「おのれ〜〜〜!!!!!

 まさか、マキュリアル将軍が負けるとは!!」


 ナオミのドラゴンから会話してきた。


「ナオミ。

 今、お母さんとバラグンダダ教授がそちらに向かっています。

 それまで頑張って!」

「ありがとう。

 1人は倒したわ。あと、もう1人」


 ナオミは、今度はルフクーダエに向かって薙刀を構えた。

 突然、ルフクーダエは諦めたように言い始めた。


「分かった。降参だ。

 お前がここまでやるとは、とんだ計算違いだったよ」


 ルフクーダエはこうべを垂れた。

 3人は、これで終わったと思った。



 え、これで終わるわけないじゃん。

 今まで、みんなを騙してきたんだよ。

 これで終わりでない、と思ったら次回も読んでね。

 つでに、歯も磨いてね〜〜。
















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