第34話 身体能力
お昼からは弓矢の授業だ。
クラスルームに、バラグンダダ教授が入って来た。
生徒達を見渡している。
ドラゴンと感応した後の最初の授業なので、みんなどれだけ自身の身体能力が上がっているのか知りたがっていた。
バラグンダダ教授が淡々と話し出した。
「ドラゴンと感応したので、身体能力がみんな以前よりも上がっていると思う。
そこで、今日からは新たな技で練習を始める。
ナオミとスリーは標的の前で準備をして」
「ハイ」
「噂ではこの2人は既に、これから教える技を練習していたらしので、みんなに見てもらう」
クラスルームが少し騒がしくなっていた。
何で2人がと、疑問の声が多数だった。
けん玉の罰の件で、バラグンダダ教授が見せてくれた技を、あれから2人は毎日欠かさずに練習をしてきた。
ナオミはバラグンダダの物言いに、内心笑った。
この技を教えてくれたのはバラグンダダ教授本人だから。
スリーは、バラグンダダ教授が言った噂の元がお母さんだと直感して、少し困惑していたけれども、練習の成果を見てもらうのに良い機会と思って、雑念を振り捨てた。
「それでは初め!」
クラスメイトが見ている前で2人は標的を見た。
壁にはそれぞれに、4つの標的が動き回っている。
ゲジゲジ・シイタケと同じ様な感じに動き回っていたので少し安心し、2人は目を閉じて精神を高めた。
スリーが最初に矢を射った。
以前よりも遥かに早く的確に4つの動いている標的に当たった。
ナオミが今度は射った。
スリーよりはスピードが劣っていたけれども、どれもど真ん中に当たっていた。
クラスルームでは、歓声が起こっていた。
特に、スリーは動く標的さえも当たらなかったのに、4つの標的に全弾命中している。
バラグンダダ教授を見ると、少しだけ口が微笑んでいる様に見えたけれども、すぐに元の顔に戻った。
「一応、標的には全弾命中しているな。
だが、まだまだ遅い」
バラグンダダ教授は少し、嫌味ったらしく言った。
「それでは、各自練習を初め!」
スリーとナオミは同時に思っていた。
ドラゴンと感応して、思っている以上に身体能力が上がった事を。
ニンフルは上手く矢を3本右手で持てないでいたので、ナオミが丁寧に教えてあげていた。ナオミの教え方がいいのか、ニンフルも初回で4本ともに標的に当たっている。動作は遅かったけれども、最初にしてはまずまずだ。
スースラムは鈍い動作で繰り返して練習をしたけれども、3本当たったのが最高で、みんなの様には上手くいかなかった。
「あーあ。みんなの様には上手くいかないや」
スリーが慰める様に言った。
「スースラムも大丈夫だよ。
僕も最初は、スースラムと同じ様に全弾命中しなかったから。
これから毎日練習をすれば、全弾命中するようになるよ」
「本当に?
僕、毎日これから練習をするよ」
こうしてみんなが自身の身体能力が上がったことを確認できた。
授業が終わりに近づいた時、バラグンダダ教授は驚くような事を言った。
「これから私が手本を見せる。
これは最終目標として各自の頭に入れておく事。それではスリー、私に4本の矢を、敵だと思って射って来なさい」
クラス中が驚きで騒ぎ出した。
弓矢に対して、弓矢でどうやて防ぐのか疑問の声が多数だ。
スリー本人が一番驚いている。
「静かに!!
それでは初めて、スリー」
クラス中が見守る中、スリーは精神を高めて矢継ぎ早に4本の矢を射った。
誰もがバラグンダダ教授に命中すると思っていたら、目にも止まらぬ速さでバラグンダダ教授は連射した。
結果しか、皆んなには分からなかった。
スリーが射った矢はことごとく床に落ちていて、バラグンダダ教授の矢が突き刺さっていた。
その中には、二本の矢を一本の矢が刺さっていたので、クラス中がびっくりをしている。
最後の一本が、スリーの顔面の横を通り過ぎて、少しだけ血が流れていた。
茫然としているスリーにバラグンダダ教授は治癒の魔法を使って、傷を完全治した。
「凄い!これほどとは!」
「これがバラグンダダ教授の本当の実力なんだ!」
「これが目標か?出来るかな?」
バラグンダダ教授はいつもと同じ表情で言った。
「皆んなも知っているように、戦争が近づいて来ている。
今以上努力をして、戦場で生き残るべく技を磨いて欲しい。
以上で今日の授業を終わる」
クラス中が割れんばかりの歓声が巻き起こった。
戦場で生き残るべく技を見せてくれたバラグンダダ教授に感動したからだ。
ナオミも、これを目標にしてこれから頑張ろうと心に誓っていた。
これ、実話なんだよね。
技の話だけど(笑)
少しだけ誇張したかな?
信じてよ!!
下記のサイトで見れるよ。
じゃね!
http://www.gizmodo.jp/2015/01/post_16470.html
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