第7話 キノコの里山

 お母さんのマリネラ教授がスリーとニンフルに声をかけた。


「スリーにニンフル。

 ナオミをテーブルに連れて行って、一緒に昼ごはんを食べてらっしゃい」


 そう言われてスリーは急にお腹が空いてきた。

 妹のニンフルが言った。


「ナオミ、こっちだよ」


 生徒の横を通ると、みんながナオミに挨拶をしている。

 みんな、興味シンシンだ!!。


「お腹が空いたね。

 ナオミ食べようよ」

「あの〜。

 私の、お箸を使ってもいいですか?」


 ニンフルは素手で食べ始めた。

 エルフは、スープ以外は素手で食べる。

 ニンフルは、ナオミの質問の意味が分からなかったけれども、いいよって返事をしたら、カバンな中から箱を取り出した。

 その中に、木で出来た二本の棒を取り出し、それを使って野菜も木ノ実も上手に食べ始めた。


 それを見ていた周りの子供達から驚きの声が出た。

 それをまだ見てない子に伝えて、あっという間に生徒中に広まった。


「地球人の女の子が長い棒を使って食べている」

「器用だよね」

「あれ、なに?」


 斜め前で食べていたスースラムがナオミに聞いた。


「ナオミ、その棒は何?」

「お箸と言って、ご飯を食べる時に使う道具なの」

「器用に食べるよね。手で食べないのかい?」

「食事の時は、箸を使っているの」

「ふ〜〜ん。

 食べにくくない?」


 スリーが割って入った。


「スースラム、いいんだよ、それで!!

 ナオミの好きな食べ方なんだから」

「ありがとう、スリー」

「え、あ、その〜〜」


 スリーは少し照れた。

 女の子から感謝されたことが、今までなかったからだ。

 食事の時間が終わりに近づき、もうすぐ食後のデザートだ。


「今日は何かな〜〜?」


 スリーが言い終わらないうちに、みんなの前にキノコの里山が飛んできた。

 スリーはこのキノコの里山があまり好きではなかった。

 これは焼き菓子で、キノコに似ている。

 味は、トマト、チョコレート、ココナッツ、くこのみ、カボチャの5種で、見かけだけではどれか判断ができなかったからだ。

 おいおい、この名前ってどっかで聞いたような???

 スリーはトマトとカボチャの味が嫌いで、食べるか食べないか迷っていた。

 何も知らないナオミが、手で1つ取って食べ始めた。


「これ美味しい。

 ココナッツの味がする」

「僕のはチョコレート味だった。

 もう一個食べよう」

「スリナリルは食べないの?」


 ナオミが聞いてきた。


「ナオミとスースラムは当たりの味だよ。

 でも、この中には僕の嫌いなトマトとカボチャ味があるんだ。

 え〜〜い、2つ一度に食べちゃえ」


 スリナリルは2つを一度に口にほおばった。


「う、まずい。今までで最悪だ〜〜〜!!

 カボチャとトマトだった!

 こんなことなら、別々に食べるんだった〜〜!!」


 スースラムがゲラゲラ笑っている。

 ナオミとニンフルもクスクスも笑っている。

 3人を見たスリーも、自分がしたことが可笑しくて、みんなと思わず一緒に笑っていた。









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