第5話
「おいセロル。この見た目ミソッカスは誰だ」
カチンッ
セロル・ネルタスに案内されて巨大な建物の、門の前まで来た。
そしてガタイの良いスキンヘッドのおっさんにミソッカスと言われた。
「ちょ、バッツさん……あー、シンごめんね? バッツさん口は悪いけどいい先生だからさ。気を悪くしないで」
「い、いや? 別になんとも思っとらんよ」
それより早く先に進んでくれ。
「えっと、バッツさん。この方は入学希望者です」
「ほう。では、手続きをしないとな。ようこそ、アルヴォーヴ魔法学校へ。
入り口すぐのところに置いてある『プレート』をひとつ取って廊下を突き当たりまで進め」
「了解。ありがとうハゲ」
「……ハゲ!?」
早速、巨大な校内に侵入する。
セロルの顔がさっきよりも強張っている。
「セロルどうしたんだ?」
「どうしたんだ? どうしたかって!? あの守備隊隊長バッツ・アクロシアに対してハゲって言ったんだよ!? 後で何言われるか……」
え、そんなにすごい人なの?
まあいいや。
「プレート……あ、これか」
ワゴンのような物の中に板状の白い物体が無造作に置かれていた。
大きさで言うと縦15センチ、横20センチってとこかな。厚さ的にはスマホくらい。触った感じガラスっぽいけど……
「セロル。この板は?」
「それは『自分の能力を数値化』して映してくれるアイテム。みんなは『プレート』って言ったりしてるけどね。正式名称は独立型状態情報検知計算機」
「ふーん……」
半分くらいなに言ってるかわからんけど、要は自分のステータスがわかるってことだろ?
廊下を歩きながらセロルに問いかけた。
「セロルは今持ってる?このプレート」
「あ、うん。あるよ」
そう言うと服の中から同じものを取り出して、俺に手渡した。
そしてセロルは一言言い放った。
「オープン」
すると、プレートから耳鳴りによく似た起動音が発せられる。
「オープンと言うと情報が見られるようになってる。あ、ちなみに所持者の声にしか応えないからね」
以下、プレートに書かれていた内容。
セロル・ネルタス
職業 見習い剣士 Lv.35
装備 制服一式
特殊装備 生命の指輪
スキル 一覧表示しますか?
魔法 一覧表示しますか?
ステータス 一覧表示しますか?
……いやいや、ゲームかよ。
「装備に生命の指輪ってあると思うけど、それ触ってみて」
「お、おう」
スマホを触るようにタッチしてみる。
特殊装備
生命の指輪……を変更しますか?
画面が変わり、上記のようなものが出てくる。
うわぁ、めんどくせェ……
「はは……露骨に顔に出すね……こんな感じで身につけてるものは一つ一つ書かないといけないんだ。ちなみに俺は今その指輪をつけてないから、取り消さなきゃいけない。じゃないと、後々わかると思うけど危険なんだ。魔法のアレコレで……」
「もういいわかった。後でまた聞くから」
廊下の突き当たりまで来たからな。
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