平凡男子と集団失踪
ギリギリ間に合って、学校に着いた
さて、教室までも急いでいかなければ
─────
校内だからそこまで時間はかからなかったが……疲れた。
?
なんだ?騒がしいけど、俺の教室?
おっと、ゆっくり考えてる暇は無いんだ
気になるなら、さっさと確かめよう
いつも通り、扉を開ける
「ん?……えっ!?……はっ、ちょ、まっ……」
「ねぇ!
「一緒じゃねーのか!?」
「
何だ、何だ?
クラスメイトたちが、入ってきた俺を反射的に見た後、泣きそうな顔や、心配そうな顔、不安そうな顔、などで俺を見つめながら、いろんな言葉を、それぞれが思い思いに投げかけてくる
ん?ちょっと待て、なんで俺んところなの?
しかも、あの四人の名前がちらほら聞こえるんだけど?
「お、おい皆!何があった?」
初めて話す人が多いが、この、切羽詰まった状況、恥ずかしいとか、緊張するとかの感情が、ほぼ、無に等しかった
「
「そうなの。それに、
聞いたことはあるんだけどなぁ……
「……私、用事があって、朝、職員室に行ったんだけど……」
神妙な顔つき、だけど、どこか泣きそうな顔して、
美人さんだなぁ……あ、そっか、この人、クラスで美人って、持て囃されてる人だった
「先生達が、焦って、なんか、話してたんだけど、気になって、聞いたら……」
うわ、泣きそう……
てか、頭痛い。
これさ、どーせ、あれだろ、アイツ等がいないとかだろ
あぁー……
「
「も、もう、いいよ、
あーぁ……
やっぱり。
いなくなっちゃったかぁー
あー、
頭、痛い
くるしい
締め付けられるように
むねが、いたい
ははっ、
最悪な、
予想的中
やだなぁ
なんでだろ
もう、
二度と
会えない
……そんな、
気がする
なんでだろ
もう、
俺と
同じ
世界に
いない気がする
やだなぁ
やだな……
変な感じ
全部
画面を通して
観てるよう
かなしい……のかなぁ
わかんない……なぁ
あー
あたま、いたい
思考回路が
停止した
あぜんとする
ぼうぜんとする
大勢の誰かが
何かいってる
五月蠅い
煩い
ウルサイ
うるさい
もう、
やだ
今日はもう
帰ってしまおう
できれば、
この世界からも
オサラバしたい
あいつ等がいない
こんな世界なんて
クソくらい……
かえろう
鮮やかな、
消えてしまった
この
つまらない世界よ……
わかんねぇよ……
もう、どうしたらいいんだよ……
わけ、わかんねぇ……
随分と、自らの世界に浸っていた、俺に飽きたらしく、話しかけてきたクラスメイトは、それぞれが、それぞれの考えをぶつけている
たぶん、全部間違ってる
まぁ、みんな、
つまらない日常の、ちょっとした、スパイス程度、と考えているのだろう
考えれば、考えるだけ、気分が悪くなる
俺は、今にも狂ってしまいそうな感情を、抑え、近くにいたクラスメイトに一言
「わりぃ、ちょっと気分悪くなったから、帰るわ。」
話しかけたのは、女子だったらしく
ソプラノの、戸惑った声が、右から左に流れる
どーでも、いーや
先程、急いで来た道を、振り返る
ガランとした、殺風景な廊下が、ただ、広がっている
後ろからは、さっきの女子の声が、聞こえる
何を言ってるのか
もう、
わかんねぇ……
どうしたらいいのかも、
わかんねぇ
あー、
なんで、
いなくなっちまったんだよ……
ふと、ガラスに映る、自分が見えた
目に光がない
顔に、
生気がない
それから俺は、
痛む身体を無視して
何かから
逃げるように
駆け出した
......to be continued
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