キミに会えない。
まだ少し肌寒い日の昼過ぎにそれは起きた。
カタカタカタ
ガタガタガタガタ
バンッ
「うぇぇえぇぇん……!」
「怖いよぉ……。」
揺れる建物
勝手に開閉される扉
経験したことのない恐怖に
泣き叫ぶ子供の声
その原因が遠い地の地震だと知ったのは
それから5分弱程たった頃だった。
「東北で震度6強だって……。」
「津波とか大丈夫かなぁ……。」
大人たちの声は私の耳に嫌でも入ってきた。
あっ……
私「ソウスケ……!」
それから1時間した頃、やっと家に帰れた。
帰ってスグ、ソウスケにメールを送ってみた。
‘凄く大きな地震があったけど、
ソウスケは無事?
凄く心配だから、コレ見たらスグに返信してね……。’
安否確認でたくさんの人が携帯を使ったためスグには送れなかったが、地震から2時間経った頃には送信できた。
ルカ『スグに返信が来ますように……』
その想い虚しく、
ソウスケから返信が来ることはなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
地震があってから3日が過ぎた。
この3日の内に
その地震は「東日本大震災」、
正式名称「東北地方太平洋沖地震」という、
死者行方不明者をたくさん出した地震だと
ニュースを見て知ったり、
友達数人が被災していることを知ったり、
ソウスケが亡くなったことを知った。
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