届け……

櫻 月翔

キミと遠距離。

ブーッブーッブーッ


マナーモードにしてある私、ルカの携帯が、

学校に行こうとしている私の足を止めた。


ルカ「メール?誰からだろう……?」


開いてみると、大好きなキミ、ソウスケからだった。


‘学校から帰ってきてからで良いから話せないかな。

少し大事な話なんだ。’


少しビックリしたけど、ソウスケと会えるからいいやっ!


と、大して気に留めていなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


帰宅後、携帯を開くと、


‘いつもの喫茶店にいるから。’


と、5分前に連絡が来ていた。

急いで仕度して向かうと、いつもの窓際の席にソウスケは座っていた。


ルカ「ごめんね、お待たせ……。」


走って息が上がったままの私は息を整えつつ

ソファに座った。


ソウ「大丈夫だよ。

それよりも大丈夫?お水飲む?どうぞ。」


相変わらず優しくて心配性なソウスケに貰った水を私は一気に飲み干した。



ルカ「フゥーっ。

それで?大事な話ってなーに?」


落ち着いた私は本題に入ろうとした。

けど、


ソウ「取り敢えず何か頼みな。

いつもので良ければ頼んじゃうよ?」


と言って、私がいつも飲む、ウィンナーコーヒーを頼んでくれた。

店員さんがウィンナーコーヒーを持って来てくれてスグ、


ソウ「さてと、ごめんね、ゆっくりお話したくてさ。」



そう切り出したソウスケが始めた話は、私にとってはとてもつらい話だった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ソウ「急にごめんね。

きっと動揺してると思うから、落ち着いたらまた連絡してよ。」


そう言うと、ソウスケはお金を置いて帰って行った。


私は別れ際にいつも言ってるまたねを言いそびれてしまったことを後々後悔することななるとも知らず、1人呆然としていた。


ルカ『さっきのって、冗談だよね……。』



その話の内容は……



大学4年生になるソウスケは、卒業せず、院に進むことを決め、今行ってる研究を先生と共に完成させたいという夢が出来た。

けど、その研究をするには、これからは県外に出て、東北の研究所に行かなければいけない。

その為、ルカと離れ離れにならなきゃいけない。

とても辛いのは一緒だよ。

でも、わかってほしい。

初めてできたまともな夢を叶えられるチャンスなんだ……!



ということだった。


ルカ『私だって応援したいけど……』





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



数日後。




ブブーッ


ルカ「きっとこれでいいんだ。

頑張れ、ソウスケ。」



学校に行く前、

自分の気持ちが変わらない内にと

ソウスケにメールを送った。


‘つらいけど、ソウスケの夢は私の夢でもあるから、応援する。

いっぱい研究して、いっぱい勉強して、立派になって帰ってきてね!

そしたらまたいろんな話しよう!!’




そしてその3日後、行くことを学校に伝えたソウスケは東北へと旅立った。

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