第9話 現実とは痛み

目が覚めると私は病室のベッドの上にいた。


体の部分部分が少し痛み現実を実感した。



目が覚めた私に気付いた看護師さんが先生を呼びにゆき、すぐに先生は簡単な検診を済ませ語りかけてきた。


「神山さん意識ははっきりされましたか?」


返事をしようにもうまく声が出ない。


「大丈夫ですよ。頭か目でyes,noの返事を返してください」


簡単な質問を繰り返し、私はようやく起き上がり先生に問いかけた。


「ともみは無事なのでしょうか?」


先生は少し呼吸を整えてゆっくりと語り始めた。


「神山さんここからは少し複雑なお話になりますが、心をしっかりと私の話を聞いてください。」


先生の表情が深刻になるのを感じ、心をギュッと掴んだ。


「貴方が交通事故を起こされたのは、奥様の病院に駆けつけようとした201x年12月10日の午後19:46分です。


こちらのカレンダーをご覧ください。」


看護師さんがカレンダーを持ってきてくれた。


「本日はあれから約半年後の201x年6月6日です。


貴方は約半年間昏睡状態で生死を彷徨っておられました。


本当は確実に助かる見込みはなかったのですが、昨晩から急激な回復をみせ、本日目覚められた訳です。」


あれから半年後??6ヶ月も眠ってたのか。


それにしても、ともみは、、ともみは大丈夫なのか?


「そして奥様のともみ様ですが、、、事故後、昏睡状態が続いており、昨晩急に容態が悪化して残念ですがお亡くなりになられました。」




ともみ.....



なんで私なんか生き残ってともみが....



声にならない泣き声をあげて私は泣きじゃくった。

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