第8話 首都高

交通事故にあったともみの病院に向かう為、私はお母さんから電話を受け首都高を飛ばしていた。


よからぬ妄想と突き刺さる雨を打ち返しながら、ひたすらアクセルを踏み込んだ。


そして、大きなカーブを曲がる時に対抗する車に衝突した。




瞼を開けると穏やかな景色に包まれ美しい川辺に立っていた。


数メートル先に真っ白な長いワンピースをきた女性が長い髪を風になびかせ佇んでいた。





「ともみ、ともみなのか?」






返事もないまま誰かが私の心の中に語りかけてくる。




「貴方は大切な人の命を救う為に自分の命を犠牲に出来ますか?


貴方の大切な人は貴方の為に命を差し出してくれました。」




「出来ます!!妻を、ともみをどうか救ってください!!」





振り返ると優しく微笑みその女性は川を渡っていった。



何も言わず、そして、決して振り返らずに.....



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