配列02-1 / 偶像セカンド


冬のある日。


私は、進学した学校を辞めた。


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無数のステージライトはひとつひとつが意志を持つかのように動く。

ステージライトに呼応するようにリズムに合わせて揺れ、掲げられる光の軌跡。

地下の一室を埋め尽くすのは奇妙なほどの一体感と連帯感、そしてコール&レスポンス。

「「次が、最後の曲になります」」

言うと、観客席からは条件反射のように反発する声が飛び交った。

「……わたしたちは」

「わたしたちは、きっと常にどこかに向かっていて、必ず前に進んでるわけじゃないかもしれないです。でも、どこに行っても、ステージから見る景色には皆さんが――ううん、カミサマたちがいてくれた!」

光る棒を握りしめるカミサマたちの多くは、目に涙を湛えながら彼女らを決して離すまいと言わんばかりに見つめていた。涙を湛えていたのは彼女たちも同じだったのだ。いつ最後になるかも分からないステージ。永遠の中の一瞬。一瞬の中のきらめき。きらめきの中の熱情。熱情が呼び起こすカタルシス。

「私のこと、私たちのこと、いつも見てくれてありがとう。カミサマたちが私たちを見てくれているから、私たちはステージで輝ける。そうだよね、アカネ?」

「うんっ、アオイ!」

アカネが答えると同時に、オケがバックグラウンドで鳴った。

青と朱のケミカルライトが天高く掲げられる。讃えるように、崇めるように、祈るように。

「「――届けます! 私(わたし)たちの歌!」」


ここは聖域(ステージ)で、

私(わたし)たちは天使(アイドル)だった。

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