第8話 薫風団、トラブルはいつも…
「あの女、アンタの仲間なんでしょッ! 早くどうにかしなさいよ!」
効果音が目み見えているのではないかというくらい、酷くご立腹な吊り目の女剣士は腰に手を当て私に怒鳴った。
「はんへふちひひふへん」(何で
私は口いっぱいに賽の目に切られたステーキを頬張りながら、逆に女を睨み返した。
「なんでってアンタの仲間じゃない」
「
エールで口の中の肉を流し込み、注文ついでにエリーゼに文句を言う。
しかし、それに逆上した彼女は辺り構わず怒鳴り始めたのだった。
「アンタいい加減にしなさいよ。もうちょっと先輩に対しての礼儀ってモノを知らなの?」
「なんやねん、急に先輩風吹かすなや。なんや、その慎ましい胸と一緒で、器も小っさいんか?」
少々彼女の物言いが頭に来たので、私は彼女を少し煽った。
すると、彼女は顔を真っ赤にしてプルプルと震え出した。
「なッ!! アンタ、少し自分のが大きいからって調子に乗らないでくれる!? 私のはまだ成長期なのよ!」
「先輩や言うんやったら、
「ちょっと表でなさいッ! どっちが上かハッキリさせようじゃないの!」
「あ? やんのか?」
『『二人とも落ち着いて!』』
今にも掴み合いになりそうな私たちをシャルジュとサンディスが止めに入った。
…………。
「何でカオルはそう人を煽るような言い方をするの? もう少し穏便に話せないの?」
「せやけど、コイツが先に…「それでもだよ!」」
エリーゼから先に喧嘩を売ってきたのに何故か私がシャルジュに叱られている。
「エリーゼ、普段冷静な君がなんでカオル君の事になるとそうも周りが見えなくなるんだい?」
「だって、アイツが……」
エリーゼもサンディスに宥められ、少し涙目になっている。
「まじウケるんですけどー」
この喧嘩の発端でもあるアイラが私たちを指差しながら爆笑している。
「……後でシバく」
「覚えてなさい……」
私たちはほぼ同時にアイラを睨んだ。
ただならぬ殺気を感じたのか、アイラはスッとサンディスの陰に隠れた。
『このギルドも賑やかになったなー』
『そうじゃのー』
そんな私たちの姿をベテラン勢たちは、温かい目で眺めているのだった。
「「「ギルドマスター!?」」」
和やかに私たちを眺める一団の中にエールを掲げる
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