第5話 薫風団、我関せず?
「ちょっと傭兵ギルドでは対処出来ない事態が最近になって頻発してまして……」
本来、観光地や避暑地として王国でも有数の街であるバーウィッチにとってこれから夏に掛けて、最も忙しくなる時期なのだ。
傭兵にとってもこれから書き入れ時という時に問題が発生し始めたらしい。
「その……
「え? 傭兵でも低ランクの
「実は、中〜高ランクの
バーウィッチの様な比較的大きな街への街道が整備され、定期的に冒険者達が周辺の
しかし、このところ街道沿いに
「そうそう。俺もこの間、結構な数のレッドウルフに囲まれたぞ。全部蹴散らしたけどな」
「おいらの所の荷馬車も
どうやらダラムとヤヌックも例年より
「そない慌てる事ちゃうんちゃう?」
「あー、マジそれ。ギルドがどーにかするっしょ」
私たちには関係ないと、エールを煽る私にアイラも適当に相槌を打つ。
「その時はよろしくお願いします。このままでは傭兵ギルドの仕事に支障が出かねないので……」
「そのうちなー」
一頻り説明を終えるとモニカは一礼して店を出て行った。
…………。
「カオルはどう思う?」
「なんの事?」
モニカが居なくなって、再びバカ騒ぎを始めていた私にシャルジュが尋ねた。
「
「別にシャルジュが気にする事ちゃうやろ?」
「そうだけどー」
ぶっきらぼうに返事を返す私にシャルジュは少し不貞腐れた様子でジュースに手を付けた。
「今日は休むって決めたんやから、アイツら見習って羽目外さんとッ」
少し退屈そうなシャルジュに私は上半身裸になって踊る連中を指差して見せた。
「姐さーん! 姐さんも裸になって踊りましょうぜぇ」
「アホかッ! 何で
その日も夜遅くまで宴は続いたのだった……。
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【ルール・制度紹介】
【傭兵と冒険者の違いについて】
古来より
冒険者は街から街へ渡り歩く『旅人』であり、傭兵は街の安全を守る『用心棒』であった。
そういった流れから
『対
故に、
王都や大都市など
勿論、傭兵が
各都市にはそれぞれのギルドが存在しているが
バーウィッチの様に冒険者・傭兵双方への依頼が存在するのは稀なケースである。
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