第4話 ヤンキー奴隷、ヘコむ。
「おや、カオル殿。まだ居たのかね?」
テーブルに突っ伏してした私に、仕事を終えたのだろう
ギルド中の魔法職に誘いを断られた旨(むね)を伝えると、
「それじゃあ夜の街に繰り出すとするかのぉ」
「おーーッ!」
私と
「シャルジュとジョゼは先帰って寝るか?」
私なりに多少気遣って聞いてみたが、色々心配なので付いて行くという事であった。
……その理由が、なぜか釈然としなかったのは事実だ。
***
『サンディスから離れなさいこの女狐ッ!』
酒場に入るなり聞き覚えのある声が店内に響き渡っていた。
「ギルドマスター? 珍しいですね」
「ほほほ、ちょっとした用事での」
その中心に居たのは
「あーーッ! 出たわね、カオル=アサヒナ!」
先程から大声を張り上げているのは
彼らのテーブルには、いつだったかの忍者みたいなヤツと神父さんみたいなおっちゃん、それから髪飾りの子も一緒にいた。
髪飾りの子は私の顔を見るなり、
ん? あのローブのヤツは知らんな……
「立ち話もなんですし、座ったらどうです?」
「そうじゃの、取り敢えず乾杯するぞい」
***
いつの間にか和気藹々と宴が盛り上がり、ジョゼは
私たちは、
話と言ってもたわいも無い世間話をエールを飲みながらバカみたいに笑っていただけだ。
強いて言うなら、
「そういえば何の用だったんです? ギルドマスター」
「おー、そうじゃったそうじゃった。忘れるところじゃったわ」
「え? 何すんの?」
「ほれ、其方に魔法職の冒険者を紹介すると言ってたじゃろ」
「そんで、その魔法使いはどこにおるん?」
「彼女じゃよ」
私の質問に
『なーんだ♪ あぃらにー、用だったんだねー』
すると、彼女はローブの下から不敵な笑みを浮かべたのだった。
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【登場人物紹介(再)】
【
サンディス :男 24歳
ヴィンセント:男 27歳
エリーゼ :女 19歳
マルカルロ :男 42歳
ハナ :女 15歳
サンディスをリーダーとする、バーウィッチで一番有名な冒険者パーティ。
彼が編み出す、様々な作戦で百戦錬磨の活躍を見せている。
パーティ名の通り、『聖なる盾』として長年この街を守り続けている。
リーダーのサンディスには女性のファンが多数いるが、実際に彼に接触できた者は少ないらしい…
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