第3話 ヤンキー奴隷、勧誘を断られる。
私は彼女が座るテーブルに歩み寄り、何気ない顔で向かいに座った。
「久しぶりー」
……ブフォッ!!
私の顔を見るなり、魔法使いの少女は飲んでいた飲み物を盛大に吹き出した。
「なななななんで貴方がッ!」
「細かい事は気にせんと、
私の提案に彼女は混乱した様子でアワアワと焦っていた。
「ん? どうしたの……ッ、何でお前がここにいるんだよッ!」
すると、これまた見憶えのある少年が私と少女の間に割り込んできた。
「お、お前も久しぶりやなー、えーっと……名前何やっけ?」
「
そう、この二人は私を倒しに来た冒険者集団の中に居た少年と少女だった。
「あー、玄? 今、この子と話してるから後でな」
何やら酷く怒っている様子の少年を宥めてから、私は少女の方へ向き直った。
「なーなーなー。取り敢えず、お試しとかで
「…………」
私は
「勝手に話を進めるな!
代わりに
「へーそうなんや、でも
それを横目で眺めながら、私は独り言のように呟いて見せた。
すると、少年は急に押し黙った。
どうやら、少なくとも彼には私が強いと認識されているらしい。
「ぁの……私は兄さんとパーティを組んでるので……すいませんッ!」
そう述べると彼女は走って逃げてしまった。
「あ、
彼女を追いかけて少年もどこかへ行ってしまった。
「あー、フラれてもたかー」
***
その日、ギルド内にいた魔法職の冒険者全員に声を掛けたのだが、既に別のパーティを組んでいるという理由で全員に
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【登場人物紹介(再)】
【玄翠】Bランクパーティー
双子の兄妹、
二人の間に前衛後衛は無く、双子兄妹ならではのコンビネーションで敵を翻弄し鮮やかに
前回のカオルとの戦闘で、翠はカオルの事が軽くトラウマになっている模様。
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