第8話 奴隷少女、事情を説明する。
突然の叫び声によりギルド内に静けさが駆け巡った。
しかし、しばらくするとギルドは再び騒がしさを取り戻していった。
「あー、あん時の
「『吊り目』って何よッ! 私にはエリーゼって名前がちゃんとあるのッ!」
私の側までやってくると女剣士(エリーゼ)は、私の顔の前でビシッと指差しそう述べた。
「すまんすまん。
「カオルぅ、知り合いなの?」
凄い剣幕の女がいきなりやって来たので、シャルジュは私の後ろに隠れていたようだ。
今はひょこっと後ろから顔を出している。
「んー、難しいけど。知り合いっちゃ知り合いやな」
「はぁ!? そんな訳ないでしょ、貴方のお陰で私達の被害は尋常じゃないのよ!?」
私がやんわりと関係を説明すると、
その姿に、シャルジュは慌てて私の後ろに隠れていた。
「今すぐ表へ出なさいッ! あの時の決着を今着けて上げるわッ」
「あ? やんのか、コラぁ」
女剣士(エリーゼ)はシャルジュの事は関係なしに、私に喧嘩を吹っ掛けてくる。
「カオル、ダメッ!」
「エリーゼ、止さないかッ!」
私が喧嘩を買おうとしたところで、シャルジュに止められた。
そして
「カオル、
「はーい。すんませーん」
私がご主人様(仮)の説教を聞き終わり、顔を上げると見知った顔が増えていた。
「久しぶりじゃの、カオル殿」
「カオル君、元気そうだね」
私たちの目の前にいたのは
***
「それじゃあ、カオル殿は彼の奴隷なのじゃな?」
「そやでー。ほら」
私はこれまでの経緯を一通り話し、奴隷の印を
「ほぉ、それでこちらの少年は?」
「シャルジュやで。えーっとなんやっけ?」
「もぉ、ちゃんと僕の紹介してよー」
「シャルジュ……ん? もしかして、貴方はシャルジュ=アスティーナ王子ではありませんか!?」
シャルジュの名前に
「はい。僕はシャルジュ=アスティーナ、この国の第三王子です」
突然の王子様の登場で、皆が静まり返った。
シャルジュも気まずそうに私に助けを求めている。
「シャルジュは王子様を辞めて、冒険者になるんやって。
「そ、それは誠でありますか?」
私の説明に
「はい」
その返事に
「将来有望な冒険者が増える事は、儂にとては嬉しいことじゃッ!」
「ありがとうございます」
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【今回の
「ひょこっと顔を出すシャルジュ様、ふぁーーーッ♪」
「流石、シャルジュ様。奴隷に対して…なッお前のその態度はなんだッ!」
「あの騎士、中々鋭いな。冒険者には惜しい……」
「凛々しいシャルジュ様も、これはこれで……ッ♪」
※どのシーンでの
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