第7話 奴隷少女、冒険者ギルドへ行く!



「もう昼じゃないかッ!」



 私の隣で頬を膨らませているのは、私のご主人様(仮)のシャルジュだ。


 朝から冒険者ギルドに冒険者登録に行くと約束していたのだが、気付いたら昼になっていた。



「無茶いわんといてやー。ウチ、昨日まで幽閉されてたんやでー」


「むぅーーッ」



 私は大きな欠伸をしながら、ご機嫌斜めのシャルジュの隣を歩いていた。



「あ、おっちゃん! 串焼き2つッ!」


「はいよー。お、カオルちゃんじゃないか、久しぶりだなー」



 私は顔見知りの屋台の店員おっちゃんと世間話をしながら、銅貨1枚を渡して串焼きを2つ受け取った。



「ほい、シャルジュの分」


「あ、ありがとー」



 私はシャルジュに串焼きを1つ手渡し、自分の分にかぶり付く。


 しかし、彼は今まで串焼きを食べたことがないのだろう、しばらく串焼きと睨めっこしていた。


 そしていつの間にか、私の食べ方を参考に見様見真似で串焼きに戦いを挑んでいた。




 ***




「相変わらず、昼間でも結構おるなー」


「へ? はひ、ほうふひはほ?」(え? 何、もう着いたの?)



 シャルジュが一心不乱に串焼きと格闘している間に、冒険者ギルドに到着した。


 相変わらず、沢山の冒険者たちがギルド内で和気藹々と騒いでいた。


 冒険者(かれら)を横目に、私達は真っ直ぐに受付のお姉さんの所に向かった。



「あッ…………」



 受付のお姉さんと目が合った瞬間、慌てて彼女はどこかに行ってしまった。



「え?」


「どうしたの、カオルー?」



 私はただ登録に来ただけで、まだ何もしていない筈だ。


 突然の事に私は固まってしまった。



『な、なんで貴方がここにいるのよッ!』



 私を現実に引き戻したのは、聞き覚えのある女性の叫び声だった。



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【今回のルベルレットの呟き】


 「シャルジュ様があんなに起こして下さっているのに、起きないだと不敬にも程があるぞッ!」


 「あ、でも、シャルジュ様に起こして貰って、ワザと起きずに膨れたシャルジュ様を盗み見るのも……」


 「ぁあ〜〜〜。不貞腐れたシャルジュ様も可愛い〜〜ッ♪」


 「なッ! シャルジュ様に串焼きなど、食べさせるでないッ!」


 「ふぁ〜♪ 串焼きに苦戦するシャルジュ様、可愛い〜〜ッ♪」



 ※どのシーンでのストーカールベルレットの呟きかはご想像にお任せ致します。


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