第2話 そもそも、LARPってなんだろう。

LARPとは『もし私が●●だったら』の実体験です。


具体的に何をするかというと

『あらすじだけでセリフがない台本を元に、参加者全員で舞台(物語)を作る』。


参加者は『PC』『NPC』『GM』の3タイプに分かれています。


演劇でたとえるならこんな感じ。


 PC:あらすじを知らない役者

 NPC:あらすじを知っている役者

 GM:演出・舞台監督


NPCはあらすじに沿った動きをし、PCはその動きを元に『何が起こっているのか』『何をすべきなのか』『何を話して、何を聞けばいいのか』を考え、動く。

GMは演出として、場面の説明やシーン切り替えの指示などを担当し、舞台をまとめあげる役割ですね。指揮者といってもいいかもしれません。


この三者が入り乱れ、演技をしながら物語を作っていきます。

NPCとPCがそれぞれの目的のために駆け引きしたり、PC同士で情報交換や共有をしたり、NPC同士が情報提供をかねたコントを繰り広げたり、様々な展開を自分達で作っていくのです。


あらすじしか決まっていないため、どんな会話が繰り広げられるか、どんな方法で次の展開を引き寄せるかはそのときのメンバー次第。

鍵を拾いそびれたからドアを蹴破るといった荒業もできれば、NPCから十分に話を聞きだせず罠にハマることもあります。常に『自分達の行動によって物語が変わる』んです。


さらに、LARPは『キャラの見せ場は自分で作る』のもポイント。与えられたセリフも各キャラ専用シーンもなく、行動の自由がある分、見せ場を自分で作り出せます。

熱血漢のキャラをやるならば熱いセリフを自分で考えて喋る、泣き虫キャラならばどこで泣くかを自分で判断して泣く。「こういう物言いには怒るはずだ」と思えば怒るし、「このキャラなら逃げ出す」と思えば逃げ出す。

NPCはあらすじを知っていて、役どころも分かっていますが、その範囲内で好きなだけチンピラや斬られ役、黒幕、悲劇のヒロインができます。

その代わり、待っているだけでは何も起こりません。キャラは立てなきゃ薄くなるだけなのです(笑)


それぞれが思う存分、自分のキャラクターを引き立てながら、一緒に物語を作っていく。

――これって、リアルと同じだと思いませんか?


そう、LARPって

参加者全員が『もし私が●●だったら』を持ち寄って、スピンオフを作るようなものです。

『人生は自分が書いた物語のようなものだ』という言葉がありますが、この『自分が書いた』を実体験できるのがLARPなのです。



――それが一体、なんの役に立つのかって?



それはまた、次回。


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