ディケドンと虹のマント

第3話 暑（あつ）い夏（なつ）の夜（よる） 8月（はちがつ）8日（ようか）夜（よる）8時（じ）

♪さあ！出発（しゅっぱつ）だ！

ディケドンに乗（の）っかって！

心優（こころやさしい）しいディケドンは初（はじ）めて流（なが）れ星（ぼし）を見る住人達（じゅうにんたち）の為（ため）に

一生懸命（いっしょうけんめい）憶（おぼ）えました。

真（ま）っ暗（くら）闇（やみ）の森（もり）の中（なか）ディケドンはホルンを8回（かい）吹（ふ）き鳴（な）らします。

光（ひかり）の雨（あめ）が降り

星（ほし）が夜空（よぞら）を流（なが）れて行（い）きました。

「願（ねが）い事（ごと）を！」

ディケドンは大（おお）きく森（もり）の頂上（ちょうじょう）に立（た）つと

両手（りょうて）を夜空（よぞら）に広（ひろ）げ

凄（すご）いスピードで皆（みんな）の願（ねが）い事（ごと）を唱（とな）えました。

この真夏（まなつ）の夜（よる）の美（うつく）しい自然（しぜん）の出来事（できごと）に

グレープタウンの住人達（じゅうにんたち）はずっと夜空（よぞら）を眺（なが）めていました。

☆

∵

♪ポコロン ポコロン ポコポロン♬

秋（あき）になったらワインを作ろう！

「器（うつわ）を持（も）ってきておくれ」

ローズチップを燻（いぶ）したかい？

葡萄（ぶどう）に混（ま）ぜたら

粒（つぶ）絞（しぼ）れ！

蜂蜜（はちみつ）流（なが）して

よいしょと合わせて

葡萄液（ぶどうえき）の出来上がり♬

住人達（じゅうにんたち）は木（き）のブーツを履（は）いて器（うつわ）に入り葡萄液（ぶどうえき）を踏（ふ）み始（はじ）めました。

♪さぁさ、1回跳（いっかいはね）れば葡萄（ぶどう）の森（もり）よ〜

2回（かい）跳（は）ねればカエルさん♪

♪美味（おい）しい香（かおり）に兎（うさぎ）も跳（は）ねる私（わたし）も跳（は）ねれば森（もり）のシロップ♪

ワイン作（つく）りも一段落（ひとだんらく）。

北風（きたかぜ）が吹（ふ）き山栗（やまぐり）が棘（とげ）の中（なか）から顔（かお）を出（だ）してつるっといまにも落（お）ちそうです。

六角形（ろっかっけい）の蜜蜂（みつばち）の巣（す）をスライスすれば

中（なか）には黄金色（おうごんいろ）の蜂蜜（はちみつ）がたっぷり。

皆（みんな）は体中（からだじゅう）葡萄（ぶどう）で赤紫色（あかむらさきいろ）でしたので

蜂蜜（はちみつ）のお風呂（ふろ）に入（はい）り綺麗（きれい）に洗（あら）いました。

ディケドンは山栗（やまぐり）のタワシでごしごしザッザ。

トゲが頭（あたま）に刺（さ）さっても、

「髪（かみ）の毛（け）が生（は）えたぞ！」

と喜（よろこ）んでいます。

痛（いた）くはないのでしょうか？

皆（みな）は大笑（おおわら）い。