君のために鍛えしこの武器で

えば

第1話 この愛すべき世界

この世界には、モンスターがいる。

地を駆けるもの。

森に集うもの。

水に棲むもの。

火を繰るもの。

空を舞うもの。

神話上では時を巡るもの、なんていうのもいるらしい。

その真偽は不明だが、あり用は様々だ。

モンスターの他にも、エルフ族、ゴーレム族、ウォーウルフ族、フェアリー族、といったヒトでもモンスターでもない者たちもいる。

俺たちヒトはどうだろう?

力も弱く、繁殖力も低く、環境の変化にも弱く、魔力も全体から考えれば決して強くない。






しかし、世界の頂点に立っている。






スメラギア皇国。

200年以上に渡りマモー魔国と争いを続けながらも、その悉くを退け続けた絶対的兵力を誇る大国である。

ヒト族最強と呼ばれるスメラギア皇帝を筆頭とした皇国軍は、皇帝自らが前線において指揮を執るという、普通に考えれば無謀とも言える戦い方をしている。

もちろん、皇族が途絶えれば滅亡の一途を辿るだろう。

何故そうならないか?

ヒトは、道具を、武器を使えるからだ。

剣を、弓を、盾を、鎧を、魔杖を、槍を、あらゆる武器を、使いこなすことが出来るからだ。

もちろん、モンスターや他の種族のうちにも、そういった物を使いこなす者はいるが、ヒトの「使いこなす」は他と隔絶する。



それが、ヒトが頂点に立つ理由だ。







そしてこれは、



そんな世界で、



唯一の落ちこぼれである



俺の物語だ。

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君のために鍛えしこの武器で えば @Evaeva1210

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