例えそれが真実だとしても....
分からない。何故今も自分が生きているのか....なんで----が死ななければいけなかったのか....私が死ねば良かったんだ....こんな血にまみれた私なんて....
「お前に殺された....沢山の人が殺された。お前の作戦で、お前の手で。だから今度は....」
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....き ..月 ....葉月っ!
「へ?あれ?宵さん?と駿?どしたの?二人共」
「どしたの?じゃねぇよ。凄い魘されてたから起こしたんだよ。それと本当に覚えてないの?お前マフィアの地下に居たんだぜ。」
「あぁ、思い出した。拉致られたんだったー。ごめんね」
「なぁ、教えてくれよ。何に魘されてたんだ?」
「大したことないよ....大丈夫だから....」
「俺はさ、葉月ちゃんが好きなんだ。初めて会った時から。葉月ちゃんが辛いなら俺も半分背負うから....だから....」
そこまで言い終えて駿は止まった。葉月がボロボロ泣き出してしまったからだ
「ごめ....なさい....私が....死ねば....」
宵は黙っていた。ここは駿に任せた方が懸命だろうと思ったからだ。
「そんなことない。俺は葉月ちゃんが今生きててくれて嬉しいよ。」
「私....沢山殺した....子供も大人も....毎日殺した人がお前が死ねばよかったんだって....」
「そうか....今までよく耐えたね。大丈夫だよ。葉月ちゃんは死ななくても良いから....」
駿はボロボロ泣きながら話す葉月に頭を撫でながら答えるしか無かった。
自分よりも5才も下の女の子がこの中の誰よりも辛い過去を背負って生きてきたなんて信じたくなかった。マフィアで幼いながらに人を殺して生き大人の汚れた世界を見せられた葉月にはきっと甘えることなんて知らずに生きてきたのだろう。そう思うと余計に悲しくなった。きっとまだこれよりも辛い過去はあるのだろうけどこれ以上話したら葉月が壊れかねない....
「ここには宵さんも俺も居るから安心して今はお休み」
駿がそう言うと泣き疲れた葉月は眠ってしまった。
「ねぇ、宵さんは葉月ちゃんの過去を知っているんですか?」
珍しく駿が真面目に言った
「いや、そこまでは知らない。ただ今言えることは葉月はここに来る前はマフィアの人間だったという事だ。他のことは本人の口から聞いてくれ」
「そうだったんだ....葉月ちゃんがマフィアの人間だったとはねぇ....それならさっきの言動を納得がいく。」
なぁ、と宵が口を開いた
「お前は....お前は葉月が人を殺していたとして軽蔑をするか?お前は生きているべきではないと葉月に思うか?」
そう言う宵の表情がとても悲しそうでそれでいてとても辛そうで....それも隣に眠っているこの少女の過去を聞いたからこその質問なのだろうと駿は思った。
「さっきも言った通り俺は葉月ちゃんの事が本当に好きなんです。だから例えどんな過去を持っていたとしても俺は軽蔑なんてしない。確かに人を殺すことは行けない事です。ですがそうならざるを得なかった....子供が子供としての生活を送れなかった....俺は葉月ちゃんにちゃんと生きてほしい。ちゃんと子供らしく生きてほしいんです。その為なら俺は何だってする。」
「そうか....ありがとうな....葉月はまだ子供何だよ....他人に頼ることを知らない1人の女の子なんだよ....だから駿。これからも葉月の味方でいてあげてくれ....」
「あぁ、もちろんだよ。宵さん....」
もう、大切な人を失いたくないからな....
何処か悲しそうに葉月を見つめながら駿はそう呟いた
例えそれが真実だとしても俺は大切な人を守り続ける
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