僕の相棒は?

葉月と祐輝は先日の事件の報告書に追われていた

 

「あー、面倒臭い....眠いぃー」

 

「おい。葉月お前ちゃんと薬飲んで寝てるのか?」

 

「飲んでますー。寝れることは寝れるんですけどね毎晩夢を見るせいであんまり寝れないんですよね」

 

「あー。夢ならあたしにもどう使用もないな....今日は一緒に寝てやるからそれだけはやってしまえ」


「うー。分かりましたよ....やればいいんでしょ。やれば」

 

このやりとりを聞いていた祐輝は隣の席の駿に言った

 

「な、何か宵さんと話している時の葉月さんって何か子供見たいですよね。」

 

「まぁ、実際子供だしなぁー。ここで最年少なの葉月ちゃんだし。葉月ちゃんもここに来る前は色々あったみたいで....葉月ちゃんのここに来た時の目は多分俺絶対忘れない....全てに絶望し何もかも諦め目の前に俺たちでさえも目にうつしていなかった。そして感情が全くなかった。」

  

「そうなんですか....」

 

突然葉月があっ、と声を出した

 

「そうそう、祐輝君。君の相棒の件なんだけど....」

 

「え?相棒ですか?」

 

「そうそう。それでねー誰がいいかなーとか考えてたんだけどそもそも君の能力分からないからさーここは皆でお披露目会とかする?簡単な説明はしたけど見せてはいないから....」

 

「おっ!いいね!」

 

「あ、駿は説明だけでいいです。」

 

「俺だけ塩対応っ!」

 

「あ、駿さんの能力は前聞きました。なので説明は大丈夫です。えと、僕の能力は言葉にしたものを具現化出来る能力です。例えばナイフ」

 

ナイフと言うと祐輝の右手にはナイフが握られていた

 

「じゃぁ、言葉にしたものをなんでもでてんくるんじゃ....」

 

「いえ、なんと言うかちゃんとイメージしないと出てこないんです。あ、因みに能力名は『言の刃』です」

 

「なるほどねぇ、そのナイフ貸して」

 

そういい祐輝がナイフを手渡した瞬間ナイフは消えてしまった。

 

「まぁ、私の能力はこんな所かなー。能力名は『消失の黒猫』だからまぁ、私じゃぁ相棒は務まらないかな。まぁ、駿でいいか。それぐらいしか人居ないし....」

 

「適当かよ!!!まぁ改めてよろしくな」

 

「はいっ!」

 

「あー。私大事な事思い出した。ちょっと出掛けてくる」

 

そういい葉月は出かけてしまった。

 

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「さて、さっきからずっと見張られてる気がしてたんだけど気のせいかなー」

 

そんな事を言いながら人混みを歩いていると人混みに紛れて口に何かを被せられた

 

「んー。んんー。」

 

睡眠薬かと気づいた時には遅かった

 

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ジャラジャラと音がする

 

「んぁ?あれ?ここマフィア拠点の地下じゃない?」

 

呟いた所で返事は返ってこない。けれど確かにそこはマフィア拠点の地下だった。

 

「お?起きたか死にたがり。」

 

「何これ。女の子に手錠とか凄く趣味悪いよ。笑えない....」

 

「ボスの命令なんでね。拉致らせて貰った。趣味悪いとかよく言うぜ元幹部が....」

 

「そんなの前の話でしょう。良いからこの手錠取ってよ....お願い....」

 

葉月はボロボロ泣き出してしまった


「何そんなに怖がってんだよ....別にまだ何もしてないんだから泣くことねーだろ。」

 

そう言いながら近づく修に葉月は

 

「来ないでっ!嫌っ!」

 

「分かったよ。これ以上近づかねぇから泣くな。おっと、こんなことしてないで早くボス呼んで来ないとな....じゃぁな葉月」

 

ジャラジャラと鳴る手錠が昔の事を思い出させた

 

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何時間いや、数十分だったかもしれない。葉月にはとても長い時間に思えた。

 

「やぁ、葉月ちゃん。久しぶり。ちょっと拉致った位でそんなに泣かなくも良いじゃないか。君だって同じ事を昔よくしてただろう?」

 

「五月蝿い....黙って。もう、あれから二年経ったの。」

 

「そうだね。でも君の奥底にある根本的なものは何時までも変わらないままだ。だからね、今日はそれを思い出してまた幹部に戻ってもらおうと思って修君に連れてきてもらったんだ。」

 

「嫌っ!触んないでっ!来ないでっ!」

 

この人の能力もまた精神系の能力だった。鎖に繋がれている葉月の手を握り唱えた

 

「神に問う。無抵抗とは罪なりや?」

 

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宵と駿は何時間たっても帰ってこない葉月を心配し、電話をかけた。だが一向に繋がらない。ふと、宵が葉月の机の上を見ると何か端末が置いてあった

 

「これは....」

 

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ここが何処かは分からない。分かるのは周りが真っ暗で何も見えないこと。自分への恨みの言葉。ただそれだけ

 

「やっぱり、私は生きていちゃダメなんだよ。」

 

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「葉月ちゃんに幹部に戻ってほしいけど今日はやっぱ良いかな....葉月ちゃんには時間を掛けて思い出して落ちて落ちて落ちた頃に戻ってきて欲しいし....」

 

一つしかない扉が開いた。

 

「おい。葉月を返してもらうぞ」

 

「あれあれ。結構早かったね。もうちょっと楽しみたかったのに....まぁ、いいよ。充分楽しんだから返してあげる。」

 

「葉月ちゃん。大丈夫?」

 

「しゅ...ん?」

 

「そうだよ。助けに来たからね」

 

「ごめんなさい....わたしがわるいの....もういや....」

 

「葉月ちゃん?」

 

「おい。葉月大丈夫だからもう寝てろ」

 

葉月は気を失ってしまった。

 

「おい。駿早く帰るぞ。」

 

「はい。遅くなってごめんね。葉月ちゃん....」

 


 

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