ホワイトボード#24
最後のタケが視聴覚室に入るとシンが話し始める
シン「適当に前の方にみんな座って。飯食い始める前に真面目な話しちゃうと、今後の目標について。オリエンの時とか軽く集まって話したりとか、そん時いないゴウとかは昨日話したけど、やっぱり目標持って本気でやりたいと思って俺はバスケ部に入った。ヨウも同じだと思うだけど、マジになってやらないならすぐ辞めてもいいと思ってる。俺の性格上優しいこと言えないし語弊を与えるかもしれないけど、やる気ないやつはいない方がいい。…まぁハヤトは絶対抜けさせないけどw」
ハヤト「おいおいw俺どんな顔してここに入ればいいのかわかんねえよw」
シン「半分冗談で半分マジだわw
今ハヤトには抜けてほしくない、必要な人材ではあるよ、でもいざって時にいなくなるのはいただけないよな。だからハヤトも本気になってくれると嬉しいわけよ」
ユウ「お、シンにここまで言わすとは、ハヤトやめらんねえぞw」
もともと掛け持ちの人数合わせ助っ人のハヤトをダシにつかい、シンは笑いをとる
視聴覚室の1番後ろに座る大城もニヤリと笑う
シンは顎でヨウに話を振る
ヨウ「まぁそういうことだ、シンの言い方は置いといて、俺らの目標をまず決めてそれに向かっていきたい。…どうなんだろうな、この中で全国大会って出たことあるやついる?」
真っ先に手を挙げたのがノリだったことにシンが1番驚いていた
ユウ「えっ!!ノリまじかよ!バスケの?」
ノリ「ちげぇよ。ダンスの」
ノリは小さい頃からダンスをやっていて
中学の時には地元のチームでヒップホップの全国大会に出ていた
ヨウ「ダンスかー。ダンスと部活だとちょっと違うのかな、どうなのノリ?」
ノリ「いや、実際にスポーツとは違うから、全然わかんねえ」
タケとゴウが後ろで笑って何か話している
タケ「俺らも一応出てるよ!俺はベンチだってけど、ゴウはレギュラーで!」
ヨウは知っていたかの様に頷き、ゴウに話を振る
ゴウ「まぁ俺とタケはユースっていうクラブチームみたいなところにいて、全国は常連だったわ。中3最後の大会は全国4位まで行って、克武のサッカー部の半分くらいは知った顔だね。
やっぱりユースとかはこんな感じじゃないよwもっとピリピリしてるし、みんなライバルって感じ、30人くらいメンバーいて試合出ないで辞めたやつ、卒業するやつもいたし」
タケ「俺もほぼベンチだったもんw」
タケがちょいちょい茶々を入れる
ゴウ「後はやっぱ練習量が半端ない、毎日死んでたもん」
皆んな薄々考えていた、自分達の様な普通の人間が、強豪校に追いつけるものなのかと
克武は普通より下だ、普通の部活にすらなれていない、1ヶ月前に集まった素人まじりの10人が全国など、皆んなそんなことを思っていた
後から大城が声をかける
大城「そんないきなりこの夏IHに出るわけじゃねえ、もう予選は始まっちゃってるしな。だが可能性の話をすると、0じゃねえ。去年甲子園に出た秋田代表、部員数知ってるから?わずか10人だ、ピッチャーすら毎試合ろくに休めてねえし、守備位置変えてカバーしてんだ。だが初めて甲子園の土を踏んだ。
どうやったかはしらねぇ、だけど並大抵の努力じゃねえのは確かだ。お前らにその覚悟があるのかってことだ。」
大城はいつになく真面目に続ける
「なあシン、お前タバコ辞めれんのか?全国行くやつがタバコなんか吸ってて、万が一お前のせいで取り消しになったら責任取れんのか?
なあコウ、朝起きれねぇって朝練サボってるやつが全国いけんのか?そんなに天才なのかお前らは?
じゃねぇなら努力しろ、その為の手筈は俺がなんだってする、試合も強えーとこと組んでやるし、練習場所もどうにかしてやる
その覚悟だけきめて、目標を決めろ。今すぐにとは言わねえからな」
そういうと大城は視聴覚室を後にした
その後、メンバーは昼食をとりながらゴウの全国の話をきいたり、練習量の改善、何をしたらいいかをいつになく
真面目に
話し合っていた
視聴覚室を出ると向かいの教室から
女バスの1年がゾロゾロと出てくる
1番最後には大城も出てきて
シンとヨウを呼び止める
大城の後ろにはエナとアンの姿がある
大城「女バスの1年の代表がこいつらになったから男女の代表は4人で頼むな!」
エナはピースサインを
アンは気恥ずかしそうにシンに笑って見せた
カツが寄ってきて
エナに話しかける
カツ「やっぱりエナやるんだ!頑張ってな!」
エナ「まぁ頑張るもなにも、まだやることないしとりあえず形だけな」
エナとカツは同じクラスであり
親しげに話していた
タキも遅れて寄ってくる
タキ「そういえば、スタメンの話し、どうなったの」
シン「それな、、まぁ今日の練習で発表するわ」
その場のヨウ、カツ、タキ、エナ、アン
後ろから聞いているメンバー皆の緊張は
誰しもが感じていた
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大城「じゃあ次ー、5対5女子から!男子はシンが決めろー」
男子メンバーはシンの元に集まる
シン「じゃあ昼話してたスタメンなんだけど、、」
全員が口を結ぶ
シン「まぁ練習試合ってことで、とくに決めてはない」
ユウ「なんだよー!?もぉシンの中で決まってるもんだと思ってた!」
そおいうとシンはホワイトボードに書き出す
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PG = ゲームコントロール、シュート成功率
SG = 得点力、流れ
F = 速攻、得点力、汎用性
PF = リバウンド、インサイド得点力
C = リバウンド
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シン「今回は全員投票で決めようと思ってる。誰と誰のコンビがいいとか、流れで使いたいとかまだわかんねえからさ。
タケとゴウにもわかる様に書くと、バスケのポジションで俺が大切にしていることがこれ
これを意識して今日の試合を終えたら、練習後みんなで投票。
自分が思うスタメン5人を書いて決める」
驚いたか顔をしている経験者
納得しているのか何も表情を変えないノリ
何もわからず面白がるゴウとタケ
エナ「おもしろそー」
モエ「ん?エナなんか言った?」
試合が始まるエナがコートの中でつぶやいた
その後の男子の試合は
どこか緊張感のあるものだった
自分の得意なプレーに持っていきたがる者
ここぞとばかりに盛り上げてアピールする者
冷静を装いミスを無くす努力をする者
皆が皆ではないが
スタメンを意識していることは、男子バスケ部だけでなく、女バス、顧問にまで伝わっていた
練習が終わると男子メンバーは体育館に残った
また、女バス3年の部長副部長、2年の代表1人、1年の代表アン、エナ、そして大城も残っていた
大城「克武のバスケ部のことだ、勉強がてらこいつらもいるが気にせず話してくれ」
アンから紙とペンを受け取るシン
シンは事前にアンに紙とペンを頼んでいた
メンバーにそれを回し話し始める
シン「さっき言った通り、自分が思うスタメン5人を書いて。匿名でいいから、俺も見ないでアンに開票してもらう」
そういうと、皆書き始める
ゴウとタケは「わかんねー」と談笑しながら書いているが
それ以外のメンバーは皆神妙な面持ちだ
書いた人からホワイトボードの前に立つアンに渡す
アンはそれを一度まとめて、適当に混ぜてから
シンの顔を見る
シン「いいよ、書いて」
シンの合図で
アンがホワイトボードに書き始めた
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