更衣室#12




ヨウがハイポストに入る

ハヤトがヨウの前で遮り、裏はシンが挟む

ユウはパスを出せずにいた



「貸せ!!」

ノリの声にユウは気づくが、あえてパスをしない


逆サイドのコウがパスをもらうが

コウのドリブルはあっけなくカツにカットされる

すかさずタキがスムーズに中継に入り前線のシンへとつなぎ点を重ねる



ユウがノリにスローインをだす

ノリ「遅えよ…」


ノリは猛スピードでフロントコートに入るが、シンはゴール下から動かずヨウとコウの動きを気にする


「ッチ…」


ノリはゴール下にドリブルでつっこむ

シンはゴール下のノリのパスフェイクをスティールする


「残念」

シンが微笑みながら囁く


「んにゃろ…」

シンのスピードに着いて追うノリ


ハーフラインでユウが止めようとするがあっさり抜かれる、ノリがシン追いつきそうに手を伸ばすタイミングで

シンは急ストップで3ポイントを放つ

ノリの身体は勢いとまらず、シンにぶつかり吹き飛ぶ


「ピーーーー!」

大城のファールの笛と同時に、シンの3ポイントがバンクショットで決まる


カツ「うぉーーー!ナイスシン!!」

リバウンドを跳ぼうとしたカツがハイタッチする


(よく追いついたな…)




シンはフリースローもきめ

Aチーム

16点

Bチーム

20点






ユウ「突っ込むな!スリー狙えよ!!」

ユウが大声でノリに指示を出す

だが、ノリは不満そうな顔で返事を返すことはない






「すごい…あっという間に追いつきそう」

アンが呟く

女子の部員は男子と違って

コート脇に一列に綺麗に並んで座り試合を見ている






ユウがタキを抜きジャンプシュートを決める



Aチーム久々のセットオフェンス

「ヘイ!!!」

ハイポストで大声で呼ぶカツにタキがパスをいれる


コウを押し込もうとドリブルするが、一歩たりとも押し込めずに苦戦するカツ


「くそッ!」

カツは無理矢理シュートに持っていくが

シュートははずれ、あっさりとコウにリバウンドを取られる



シン「カツ!無理にシュートいくな!」

カツ「っ…!わ、わりい!」



速攻で点をきめるBチーム













ビーーーーーーーーー


Aチーム

20点

24点

Bチーム


シン「はぁ…はぁ…やっぱりちょっときつかったな…はぁ…」

シンが苦笑いしながら呟く

両チームとも肩を揺らしバテた様子だ



勝敗としてはBチームの勝ちだが、盛り上がりにかけるBチームの面々





ヨウ「どっか寄る?」

更衣室内でヨウがみんなに話しかける

カツ「みんな帰りはどっち方面なの?」

カツがみんなに問う




そんな中誰とも話さずノリは更衣室を出る

ノリ「…お先」

コウ「おい!ノリ待てよ!俺も行くから!じゃみんなお疲れ!」

爽やかな笑顔でノリを追うコウ


ユウ「みんなバスかー。俺らだけ電車じゃん!行きたいけどまた今度な!」

寂しそうな笑顔で更衣室を後にするユウとハヤト



結局、シン、ヨウ、カツ、タキ、ケンは駅前のファーストフード店に入る


カツ「タバコはダメだからな!」

カツがケンとシンに真面目な顔で言う

「わかってるよw」

シンは笑って答える


シン「ヨウ。結局どうするの?バスケ部」

シンの質問に間を置いて答えるヨウ

ヨウ「……。俺いなくても部活はできるっしょw?」



カツ「いや!!1人でも多い方がいい!シンはどうする?今日の感じ見て。」

カツがシンに問う

シン「バスケは好きだけどな。でも目標がないから、なあなあな部活になりそう」

カツ「なら目標作ろうよ!全国制覇とか!」

タキ「漫画じゃん…」



「いや!やるなら全国制覇だろ!ww」

本気なのか冗談なのかケンが大声で発言する


シン「まだ全員のことわかってるわけじゃないけど、全国で通用するレベルじゃないからな。うちらは」

シンが真面目な顔で答える


カツ「目標か…」


カツが真面目に考えるのを見て、その場のみんなも考えながら時間を潰した


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