4対4#11





「では、男子の入部希望者の諸君‼︎端から自己紹介をしてくれ!」



PG 鴨志田 優 (ユウ) 166センチ

PG 瀧 直生 (タキ)171センチ

SG 新谷 芯 (シン)177センチ

SG 横浜 隼人(ハヤト)170センチ

SF 黒川 紀之 (ノリ)174センチ

PF 菊池 陽二 (ヨウ) 182センチ

PF 一ノ瀬 勝也(カツ)188センチ

C 要 光太郎 (コウ)179センチ

初心者 白石 剣太 (ケン)



各々が簡単な自己紹介をする


入学式の次の練習日、9名の顔見知りが体育館に集まっていた


(意外と集まったな)


シンは並んだ男子メンバーを横から見直す



女子の入部希望者は5人

エナを筆頭に集まっていた


ユウはワクワクした顔でストレッチをしている

シン「ユウ、ノリも来てるなwよかったじゃんw」

ユウ「フンッ!ぜってぇ負けねえ!」

ユウはノリに対抗意識を燃やしている


ハヤト「ユウ!そおいえばこの高校陸上部なかったわ…」

ユウ「お!じゃあハヤトずっとバスケやってられるな!」

ハヤト「えー!俺が陸上部つくる!それまでの助っ人で!」

シン「助けられる覚えはねえよ。数合わせって言えw」

ハヤト「シンってドSだよな…w」

シンがハヤトをおちょくる


大城「じゃあツーメンから!!」

顧問の大城が指示を出す

シンは男子のメンバーを見渡した後、大城に近寄る

「先生、ケンは初心者でツーメンもできないと思う。男子も9人だから、あいつだけ別メニューやらせた方がいいんじゃないか?」

大城は2.3秒考えた後、大城をサイドのゴールに呼ぶ

「ケン!レイアップはできるか?」

「いや!できねえ!ツーメンってなにかもわかんねえよw」

「よし!今日は俺のマンツーマン特訓だ!んじゃあ他はツーメンやってろ!」

「お!おっちゃん特訓か!


そおいうとケンと大城はサイドのゴールにいきようようと向かう



シンは2列に並ぶツーメンの最後尾に並ぶ


1つ前に並ぶ黒髪が大きく広がり揺れ、白い顔と大きな目がこちらを向く

アン「大城先生に、おっちゃんて……す、すごいね。あの人かなり厳しいのに」


シン「…あぁ」

シンはアンと目も合わさず答える

素っ気なく、しかしギラギラした目で


雰囲気の違うシンにアンはそれ以上なにも声を掛けられずにいた



アンの番になり走り出す、その後シンの番になる

ツーメンのパートナーのユウがボールを持ち走り出そうとするが、シンはそれを待ての合図で止める


シンはアンがシュートを打ち入るのを確認してから、ユウにGOの合図を出す


シン「ユウ!こい!!」

気づいた時にはシンはハーフラインを超えユウのパスを背中側ギリギリにとりレイアップに行く

シン「パスおせーよ!ユウ」

ユウ「お、おう!悪い!」



前の列のアンにあっという間に追いつくスピードそして、レイアップ後にボードを叩くほどの高さに体育館中誰もが目を見開いた







ヨウ「はや…」

カツ「いや、高え…」

ヨウとカツがシンのワンプレーに思わず口ずさむ





その後も練習が続く

顧問の大城は女子と男子が相手しないようなメニューを指示出していく





大城「よーし!んじゃあラストゲームやるか!チーム決めるぞ!」


大城の指示でチームが分けられて行く


Aチーム

PGタキ

Gハヤト

SGシン

PFカツ


Bチーム

PGユウ

SGノリ

PFヨウ

Cコウ


(きついなおっちゃん…)


「これでいいかな?!なぁシン!」

大城はシンの心を読むようにシンに問う


シンはこのチームでは勝ち目が薄いと感じていた


個では勝ててもチームでは勝てない

それがバスケというスポーツだった



「…いいんじゃん。おっちゃん」

シンは数秒考えた後答える




10分2Q勝負










男子の1Q終了後

アンは心配そうにシンを見つめる

大城「女子行くぞ!」

アン「は、はい!」

慌ててアンがコートに入る





「はぁ…はぁ…」

(まぁ、こんなもんだろ)


Aチーム

8点

20点

Bチーム






女子のゲームを見ながらシンはBチームの様子を見る

コウが他3人に指示を出している





カツがシンに話しかける

カツ「シン。次も同じでいく?」

シン「…いや。…タキ呼んでくんね。」

カツが大声でタキを呼ぶ



シン「ちょっとディフェンス変えるぞ。俺がノリにつく、タキはユウ、ハヤトがヨウについてくれ、カツはそのままコウに」

ハヤト「いやいや!俺ヨウはミスマッチだぞ!」

ハヤトがあせりながら意見するがシンがハヤトの肩を叩く


シン「大丈夫、常にあいつの前に立ってディナイで頼む。裏は常に俺がいるから」


シン以外は誰しも不安そうな顔をしている





ふとコートに目をやるシン


アンが3ポイントを打つ

シンは3ポイントの行方より、シャツがめくり上がり露わになったアンの腹部に目がいく


「ナイッシューアン!」


誰かの声でシンはアンのシュートが決まったことを知る

アンが振り向きざまにシンと目が合う


《ナイッシュー》

シンは声には出さず口パクでアンに言う


アンは下唇を噛み、笑みを堪える









「次男子!負けたほうがモップだからな!」

大城の声で男子がコートに入る


「12点守るぞ!」

ユウとコウが手を叩きながらテンションを上げる



Bチームのオフェンス

シンのポジションに誰もが戸惑う

3ポイントラインのノリをノーマークにして、ゴール下にいるシン


ハヤトはシンに言われた通りに、ヨウをディナイしている


ユウが疑いながらもノリにパスを出す

しかし、シンはノリを離したままである


コウ「ノリ打て!!」

コウが叫ぶと、ノリはひとつドリブルつき台形付近まで近づきシュートフォームを構える

シンは待ってましたと言わんばかりに、ノリをビビらすようにシュートチェックにいく


更にシンが叫ぶ

シン「カツ!押し出せ!飛ばせるな!」


カツはコウをスクリーンアウトしたままボールの行方を見る

落ちてきたボールをシンがリバウンドする


シン「走れ!!」


シンが叫んだ時にはハヤトはすでにゴール付近まで到達していた

シンのロングパスからハヤトがシュートを決める





シン「カツ。ナイススクリーンアウト!コウは絶対飛ばせるな。ボールは俺らで拾う」

カツは笑みを浮かべディフェンスにもどる


シン「よーし!一気に追いつくぞ!プレッシャーかけていけ!」

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