第4話 やるべき事
今いる世界がどこで自分がどういう状況に置かれているのか、
やる造は拙い思考で考える。
ルシフが語る地獄、間違いなく今いる場所がそこなのだろう。
そしてやる造は羽人間に此処へと堕とされた。
ルシフの話が進むにつれ分かった事だけど。
堕とされたという事。それそのものが非常に不味いらしい。
普通の場合、地獄には送るというのが正当手段だそうで・・・
堕とされた場合、、、神の恩恵からも切り離される事を意味する。
つまり、俺最強!になる可能性があると言う事!!!!!
と、話をぶった切り浮かれたのだが、、、
そこでルシフが哀れな者をみえる目でやる造に一言告げた。
「無理。 だってやるくん元人間でしょ?」
ため息を付ながら講義に戻るルシフ。
元人間。
人間から天魔に堕とされたモノ。
天上史上でも数少ない実例であり、地獄の環境に適応できず消えていくだけの存在。という認識だそうだ。
天魔としての
人間でいた時と変わらない場合が多い。
やる造は思う、、、 終わったと。
色々な事が目まぐるしく起こり、その流れに流されるままここまで来た。
だが、その実やる造はほんのささやかな期待をしていたのだ。
何かいい事が待っているかもしれない、と。
だってそうだろ?期待しちゃうだろ?
訳の分からぬまま異世界に来て美少女と2人きり。
行程はどうあれ、ここまでは完璧なのだ。
だったらあるだろ?何かすごい力とかさ。
そんなやる造に追い打ちがかかる。
「やるくん・・・ 一つ聞きたいんだけど。
やるくんってさ、、 なにをしたの?」
不安そうな顔でやる造に質問を投げかけるルシフ。
なにを?
なにした?・・・ ???
何を聞かれたのか分からず首をかしげるやる造。
「話、、 聞いてるのかな?」
怖い顔で睨みをきかせるルシフ。
やる造はすぐさま顔を縦に振った。
「ほんとかな・・・ まあ、いいけど。
でもこれ、、 重要な事だから。
やるくんにはまだ分からないと思うけど。
天魔にはレベルがあるの。
一応強さにも関わって来るんだけど、その在り方というか、、、
その素性と言うか、、、 そういう事が大きいかな。
やるくんって、、、 本当に人間なんだよね?」
元人間と一蹴した筈のルシフがそんな事を聞いてくる。
やる造は縦に頭を振った。
「う~ん、、、 どうしよう・・・
まずい事になってるかも、、、
やるくん、本当に覚えていないの? 何をして堕天したのか。
やるくん。。 あのね、君はレベル5。
最悪のレベル5にカテゴライズされる、最上位天魔なんだけど・・・
自覚、、 ない、よね?」
・・・最上位天魔???
キョトンとした顔でルシフを見詰めるとルシフは「はぁ~」とため息を漏らした。
弱いのか強いのかと困惑する。やる造。
試しに力こぶを作り、突いてみた。
プ二プ二。
人であった時と変わらない。
最上位と言われても意味が分からない。
そんな様子を呆れた目で窺うルシフ。
「・・・
正直に頭をかしげる。
やる造はルシフを刺激しない為、言葉は発しない事にした。
「無自覚・・・
やるくん、、、 あの災害級の
いや、、 でも、、 ありえるのか?
レベル5なら、、 なって食欲なのよ・・・
なんてこと、、、 不味い、、 どうしよう・・・ 」
一人で追い詰めれていくルシフ。 少し涙目である。
置いてけぼりのやる造。
そこからルシフは思案に入ったようで百面相を続ける。
その様子が可愛く面白かったのでやる造は何も言わなかった。
言いたい事は多々有ったのだが、どうせ何もわからない。
そういう些事はルシフに任せて、今はこの状況を楽しむことにしたのだ。
「謝りに行く!」
その言葉で楽しい時間は終わりを告げた。
少し名残惜しいが、またチャンスがあるかも知れない。
そう思いやる造は我慢する事にした。
しかし、、、どうしたのか、、
ものすごく張り詰めた顔をするルシフに、戸惑いを感じるやる造。
ここはさすがに聞いてみる事にした。
「謝るって、、、 どこのだれに?」
呑気な事を云うやる造と違い、ルシフは緊張を崩さない。
「天魔 壊れた時計。
魔神と呼ばれる古の天魔の一柱。
やるくんが壊した森の聖域・・・ 彼が支配する地域の一部なの。
ごめん、やるくん・・・ 守れないかもしれないけど。
私も謝るから・・・」
申し訳ないとばかりに頭を下げるルシフ。
やる造は思う。
いや、うん、、
ルシフの所為じゃないよ、うん分かってる。
森の聖域って俺がいた場所の事だろうか?
本当に聖域だったのか・・・
てか、枯れちゃったあそこの事だよな。
それを俺がやった??? 知りませんよそんな事!
というか・・・ 既に神様を敵に回してるのに。
お次は魔神様ですか??
そうですか・・・
俺、、 泣いていいよね??
話しが大きくなりすぎて、ほんとうに何が何だかさっぱりだった。
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