ツンデレ女子を振り向かせろ!!〜俺の日常〜

河咲愛乃

第1話 ツンデレの彼女

「優香ちゃーーーん」


俺がいつも通りもうダッシュして抱き付こうとすりと、彼女は思いっきり俺を睨んで避けた。しかし、もうダッシュしていたから簡単に止まれるはずもなく、壁に激突した。


「はっ、そんなバカなことしてて大丈夫なの?あんたのことは興味ないけど、

私を追っかけてるせいで怪我なんかされたらこっちまで迷惑かかるんだからね。


「はい!気をつけます!」


「あんたなんでそんなニコニコしてるの?キモいんだけど」


そんなこと口で入ってるけど心配してくれてるんだよねー

(多分)

なんたって俺が野球部なのも知ってるし


「はぁ?誰もあんたのことなんか気にしてないわよ」


「優香ちゃん俺の考えてたことわかったの!?もうこれ以心伝心でしょ」


「違うぞ雷。今のは思いっきりでかい声で言ってたからな」


「えー、そこは聞いてないふりしてよー。」


「そうか。なら次からそうする。あと、俺なんかと喋ってていいのか?彼女もういっちまったぞ」


「えっ!?優香ちゃーん!」


「あっ雷。優香から伝言ね。『あんたが野球部に入ってんの知ってるのはお兄ちゃんから聞いただけで、怪我されたら困るのはお兄ちゃんに合わす顔がなくなるし一切悪くない私が謝らなきゃいけないから』だって。

まあ頑張ってねー」


彼女は優香ちゃんの親友ついでに俺の幼馴染。毎日協力を求めるが、全然協力してくれない親切じゃないやつだ。


「はあ。俺嫌われてるのかな」


「えっ、お前今気づいたの?馬鹿だねー」


「ちょっ煇それはひどくない!!」


「だって事実じゃん」


「うっ」


正直反論できないなぜなら、、、

定期テストの結果:国語 12点   理科 32点

         数学 21点   社会 9点

         英語 0点

である。


「しかし!俺は諦めないぞ!」


優香ちゃんは紺色の長い髪に黒い瞳、スタイルも抜群!でも俺以外あんまりアピールしない。なぜか聞いてみるともう告ったけどおの毒舌で思いっきりけなされたそうだ。まあ俺もその1人なんだけど、諦めきれなくて今に至るのだ。

なぜこれまで彼女にこだわるのかというとあることを知ってしまったからである。 

以前俺ら野球部が試合で負けた時、家で1人声を殺して泣いていたそうだ。

(悠さん(優香ちゃんの兄)に聞いた)

それを聞いて可愛いなと思ってこんなんになった。



     


「おーい。雷、お呼び出しだぞー」


「今行く」


またか。自分で言うのもアレだけど正直言って俺はモテる。たぶん今回もそうだろう。でも俺には優香ちゃんがいるから毎回断る。


「あの、今少しいいですか」


「うん。 いいよ」


ふーん。今回の子はまあまあ可愛いじゃん。(優香ちゃんほどじゃないけどね)

そう言われて俺たちは屋上に向かった。


「あの、雷くん好きです!付き合ってください」


「そっか。ごめんね。知ってると思うけど俺は優香ちゃんが好きなんだ」


「でも雷くんあんな人のどこがいいんですか。毒舌で意地悪で嬢王様気取りのあの人が」


「全部だよ。そんなところも好きだしあんまり表には出さないけど、結構可愛いところもあるしね。」


「、、、。そうですか。聞いてくれてありがとうございます」


「うん」


そう言って俺は教室に帰ってきた。ヒカルに色々聞かれたけど適当に流した。


次の日も優香ちゃんのところに向かった。


「あら、雷おめでとう。やっと私のこと諦めたのね」


「えっ!?なんのこと?」


「だから彼女と付き合うことになったんでしょ。お兄ちゃんから聞いたわ」


「いえいえ違うよ。僕は優香ちゃん一筋だよ!」


「何言っんてんのよ今まで私の反応見て遊んでたんでしょ!」


そう言って彼女は教室を飛び出していった。


「えっあの」


「雷あんた何したのよ。優香があんなになるなんて珍しいことなのよ」


「別に何も」

 

「でも告白されて付き合うとかなんとか」


「誤解だよ」


そう言って昨日のことを全部話した。


「雷それ今すぐ優香に伝えてきなさい。きっと屋上にいるわよ」


「えっでも今は」


「はぁ?あんたそんなもん?優香のこと好きじゃなかったの」


「好きだよ!でも」


「好きなら今すぐ行ってこい!これで行かなかったら優香が雷と口聞かないようにしてやる!」


それは嫌だと思い俺は全力ダッシュで屋上に向かった。


「優香ちゃん!」


「何よ」


彼女は体育座りをして顔を埋めている。


「さっきのは誤解だ」


「俺が好きなのは優香だけだ!!!」


「えっ?本当?」


そう言って顔を上げた彼女の顔は赤くなっていた。多分泣いていたんだろう。


「毎日のように言ってるじゃん」


「でもあれ冗談っぽいし」


「うっ。でも俺は優香が好きなの!」


そう俺が言って抱きしめると、優香はまた泣き出した。


「私も、雷が、好きです」


彼女は真っ赤になってそう言った。

俺の長い片思いはやっと実ったのであった。

後から聞いてみると、俺が告白にOKしたと兄に聞かされたらしい。


そして俺たちは付き合うことになった。でも彼女のツンデレは相変わらずなんだけど、少し優しくなったような気がする。そんなことを言うとまたなんか言われるだろうけどね。





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