第37話 ◆コスプレでごめんなさい!(後編)

◆コスプレでごめんなさい!(後編)


さて、ミカから、コスプレ衣装を借りて帰ってきた、ミキであったが・・・

ミキは、家の玄関の前でうろうろしている。 やっぱりあんな事の後なので、家には超入り辛い!

「鋭二さん、怒ってるだろうなぁ・・・はぁ~。 溜め息ついてても仕方ないか。 よしっ思い切って」


ガチャッ 

「ありっ?」

自分でドアを開ける前に、勝手にドアが開いた。

「ミキッ!?」

外出しようと、たまたまドアを開けた鋭二の方も、ミキの姿を見てびっくりする。


「あわわ・・・え・・鋭二さん・・・あの・・・その・・・ご、ごめんなさい!」

心の準備が出来ないまま、いきなり鋭二と鉢合わせしてしまった。 もう謝るっきゃない!

「ミキ・・・」

ぎゅうーーー

鋭二は、ミキを思いっきり抱きしめる。


???

抱きしめられながらミキはポカンとしたまま、ただじっとしている。

「ミキ・・・心配してたんだぞ!」

鋭二の言葉を聞いて、急にポロポロと大粒の涙が溢れ出す。

「え・・鋭二さん。 ごめんなさい。 ごめんね・・ ごめんねぇーーー」

えぐっ・・・ひっく・・・


「まぁ、兎に角、家の中に入ろうね」

鋭二は、マンションの廊下で泣きじゃくるミキをなだめながら、一緒に家の中へ戻る。

グシ・・グシ・・

「さぁ、そこに座って。 今、山口の家に電話入れておくから」

「はい・・・」


???!!!

テーブルの上の灰皿には、吸殻が山のように高く積みあがっている。

「も、もしかしたら鋭二さん。 わたしの事、寝ないで待っててくれたの?」

「あたりまえじゃないか」

「・・・やさしいね・・・あたし、ほんとうにバカだ・・・」

「そんな事ないサ。 誰だって自分が後少しで死ぬかも知れないって聞いたらすごく動揺するよ!」

「うん。 でもね、あとちょっとで牛乳飲むところだったのよ。 ほんとに危機一髪!」

「そうだったのか。 それじゃ後でもう一度、お父さん達に食べていけないものを良く聞いておくんだよ」

「うんそうする。 あっと、いけない。 もうこんな時間だ。 今日は2時からTVの収録があったんだ」

「ああ、それは明後日に延期してもらったよ」

「ほんと? じゃあ今日は、1日お休み?」

「うん。 僕も休暇もらった」

「やったー! お休み、お休みぃ。 鋭二さんとお休みだぁ♪」

「やれやれ・・・」

ミキの切り替えの早さに鋭二も、苦笑いである。

「あれ? どうしたの?」

「いや、ちょっと疲れが・・・」

「大変・・・それじゃ、熱いシャワーでも浴びて、ちょっと横になったら?」

「うん、そうしようかな・・」

「鋭二さん。 お腹は減ってない?」

「うん、大丈夫」

「それじゃ、後でタオル持ってっとくね」

「うん、ありがとう」


そんで、どっと疲れがでた鋭二は、しばらくオヤスミ中である。

『さて、鋭二さんが寝ている間に準備、準備っと』

ゴソゴソ・・・

さっそく手提げ袋からコスチュームを取り出し広げてみる。

「う~ん。 どっちがいいかなぁ? バニー? ウエイトレス? お昼ごはんを作っておいて、ウエイトレス姿でサービスするのがいいかなぁ・・・ それとも、バニーガールが優しくベッドに起こしに行くのがいいかなぁ・・・う~ん悩むなぁ。 ・・・よしっ、こっちに決めた!」


「・・・さん・・・え・い・じ・さん・・・鋭二さん。 もうお昼ごはんの時間ですよ~!」

「う・・・ん。 もうそんな時間? さっき寝たばっか・・・り・・・ ってミキ! その格好なんだ?」

「えへへ・・・心配かけちゃったから・・・その・・・ごめんなさいのサービス」

「・・・・」

「あれっ? やっぱウエイトレスの方が良かったかなぁ?」

「はぁ~。 ミキ・・・君って・・・」

「???」

「まぁいいか。 とってもカワイイよ。 こっちにおいで!」

「うん」

ファサッ ← ベッドに腰をかけた音

スッ グイッ

ミキは、鋭二に急に腕を引かれてベッドに横になってしまう。

んで、当然ミキは鋭二の腕の中に・・・

「あっ・・・  う・・ん  やっ・・・ 」

「カワイイ ウサギさん。 皆に心配をかけた悪い黒ウサギさんは、お仕置きしなくっちゃいけないなぁ」

「えっ、そんなぁ・・・ これで許してくれるんじゃ・・・」

「ダメダメ・・・」

「あっ、 やだ・・・ あん・・・」

「ほ~ら。 ここが一番悪いところだろぉ?」

「ん・・・ ふぅ・・・ はぁ・・・」

ちょっち、鋭二のクールなイメージが・・・ただのエロ親父にぃ!!


結局この後は、ふたりでエッチしたんでしょうね。



■お知らせ

次回からは、悪の高嶋教授が作ったクローン編が始まります。


投稿の都合で、何話か飛ばして掲載していくため、飛ばす部分のあらすじと登場人物を紹介しておきます。

<ざっくり・あらすじ>

ある日ミキは買い物に行く途中、自転車で佐々木詩織さんとぶつかって、けがをさせてしまう。

佐々木さんは、超美人でミキは男の本能が芽生えている自分に戸惑うが、鋭二を含め家族ぐるみの付き合いとなる。 (超簡単で、すみません)


次回、「ふたりのミキ」へ続く。

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