第35話 ◆約束
◆約束
「う~ん。 わたし、もしかしたら後2週間で死んじゃうかも知れないしなぁ・・・」
「えっ、お姉さまって、やっぱり重い病気なんですか?」
「まぁ、そんなものかなぁ・・」
「そんなぁ・・ よしっ、それじゃ、わたしも一緒に死んであげる」
「えっ、ええーー!!」
予想外のミカの反応にミキは、びっくりする。
「だって・・・こんなに綺麗な人が死んじゃうなんて・・・悲しいよぉ・・・」
うっ・・・うっ・・・
「あ・・・あのね・・・まだ絶対に死んじゃうって決まったワケじゃないのよ」
「でも、美人薄命って言うじゃないですかぁ・・」
「う~ん。 喜んでいいのか悪いのか。 そうだ。 それじゃ2週間しても死ななかったらなってあげる。 お・ね・え・さ・ん」
「ええーーー。 ほんと? ねぇ、ほんとですかぁ?」
一瞬ミカの目に星が輝いて見える。
「うっ、うん。 ウソ言わない」
「やったーー!!」
ぎゅー
ミカは、嬉しくって思いっきりミキに抱きついてくる。
むぎゅ 「ちょっ、ぐ・・・ぐるぢぃーーー」
ミキは、よく考えもせずに思わず約束してしまったが、本当にこれでよかったのだろうかと少し後悔する。
・・・
・・
・
さて小一時間が経ちミキも、落ち着いてようやく物事が冷静に考えられるようになってきていた。
「ミカちゃん、わたし皆が心配してると思うからそろそろ帰るね」
「えっ・・ お姉さま、もう遅いから今日は泊まってってくださいよ」
ミカは寂しがりやで、やっぱり泊まって行って欲しいため、ミキをどうしても引き止めたい。
「う~ん。 ・・・それじゃあ、電話して聞いてみるね」
ミカのうるうるした目を見るとミキも切ない気持ちになってしまう。
ピッピッ
「あっ、もしもし。 鋭二さん? わたし、ミキ」
「ミキ!! 今どこにいるんだ! みんな心配してるんだぞ!」
鋭二は、ようやくかかってきたミキの電話に思わず自分の今の気持ちが強く出てしまう。
「ごめんなさい・・・ 今日はお友達のところに泊めてもらうから」
「友達? ダメだ。 すぐに迎えに行くから、いま居る場所を教えなさい!」
鋭二は必死だ。 何しろミキの命がかかっているのだから。
「今日はもう泊まっていく約束したから・・・ 明日はちゃんと帰ります。 お願い!!」
只ならぬミキの迫力に鋭二も、その深刻な状況を察する。
「う~ん・・・わかった。 それじゃ、これだけは伝えておくね。 お父さん達に聞いたんだけどミキは絶対に死なない。 でも、それには、ひとつ条件があるんだ」
「条件?」
「うん。 マウスが死んだのは、検査試薬が原因なんだそうだ。 だから試薬に含まれている幾つかと同じ成分を食べたり、飲んだりしない事!」
「試薬って?」
「例えば、牛乳とかだそうだ。 取り敢えず、いままでミキが食べてた物なら問題は無いって」
『牛乳?・・・ひゃぁーー。 危なかったなぁ・・・』
ミキはさっきミカから薦められた牛乳を飲まなくて心底良かったと思った。
「ミキ? 聞いてる? わかったのか?」
「うん。 OK。 ミキ了解しました!」
「くれぐれも食べ物には気をつけるんだよ」
「うん。 ありがとう。 明日は朝早く帰るから。 それじゃあね」
ピッ!
「あのぉ・・・お姉さまの名前って・・・ ミキって言うの?」
「ぎくっ・・・そ、そうだけど」 (゜-゜)
じぃ~
うっ
しまったと思ったがもう遅い。
「ティンカーベルの?」
コクッ
「やっぱりぃーーー! そうだとおもってたんだぁ・・・ すごーーい。 本物だったんだぁ」
「あの、この事は他の人には絶対に内緒ね」
「そうだ、サイン、サイン。 サインください♪」
「って、ミカちゃん。 聞いてる?」
「えっ?」
「だから、この事は内緒にね」
「ハイッ♪ ここにサインしてください」
「ダメだ。 こりゃ!」
「それじゃ、わたし、お布団ひいてくるから、ココにサインしといてくださいね♪」 ふんふんふん♪
さて、その夜は、ミカにぴたりくっつかれて、寝不足のミキであった。
だってミカは、寝ながら抱きついてミキのFカップを・・・
次回、「コスプレでごめんなさい!(前編)」へ続く
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