第34話 ◆お姉さま

◆お姉さま


注:文中『 』 内はミキの”心の中の声”デス


『う・・・う~ん。 イテテ・・・』

フグッ フッ フウーーン?

ガチャ、ガチャ!!

『何これ? 手錠? 猿轡もされてるぅーーー!』

「お姉さま・・・」

『ちょっと! お姉さまって?』


むぎゅ♪

ミキは背後から誰かに抱き着かれている。

ウーーーー!! ムーーーー!!

『ひょっとして、ミカちゃん?』

もにょ、もにょ

フウウーーン

『ちょっ、そこは』

スルッ

『イヤーーー』

くりゅん

ムウーーーーン!

チュッ チュウウーーッ

『あっ・・・くっ・・・』

『フッ フウーーン』

「ママ・・・」

『マ、ママって?』

もみゅ、もみゅ

チュッ・・・チュッバッ

ハゥーーー ビクッ ビクッ

「お姉さま、ごめんなさい」


プハッ

ミキは、ようやくミカに猿轡をはずしてもらった。

「ミカちゃん・・・どうしてこんな・・」

「ごめんなさい。 あたしんちって水商売でしょ。 小さい頃から夜は、ひとりで寂しくて・・・」

カチャッ

続けて、おもちゃの手錠をはずしてもらう。

ミキはコシコシと手錠の跡をさする。 びっくりして力を入れたので、おもちゃでも手首にうっすらと赤く跡がついている。


「で、でも、いくら寂しくても、こんな事しちゃいけないよ~!」

「ゴメンナサイ。 つい」

『つい?・・・つ、ついで普通ココまでするか?』

「手錠と猿轡されてあちこち触られたり抱きつかれたりしたら、感じちゃう・・・じゃなかった・・・びっくりするじゃない」

「だって、ああでもしないとお姉さま逃げちゃうでしょ」

「だからって、ああいうのはダメでしょ!」

「あの、お願いです。 ミカのお姉さまになってください」

「えっ、ええーーーっ」


一方、こちらは一緒にいたJKの二人である。

「ねぇ、マユミ。 ミカさぁ・・・またやるのかなぁ・・・アレ?」

「うん。 あたしは絶対やると思うよ」

「やっぱり? あの人びっくりするだろうなぁ」

「そだね。 でも具合も悪そうだったし 今回は無しかも・・・」

「わたしさぁ・・・初めての時びっくりして声がでなかったよ~!」

「わたしも。 ミカってマザコンなのかな? それともレズなのかなぁ」

「う~ん。 オッパイ大好きだしね~。 揉み方も上手いしぃ・・・」

「きゃっ やだぁ」

「でも、幼稚園のころから、夜はひとりで留守番してたって聞いたよ」

「きっとお母さんに甘えたかったんだね。 なんか可哀想」



こちらは、ミカの家。

「あの、お願いです。 ミカのお姉さまになってください」

「えっ、ええーーっ。 お姉さまって?」

「たまに遊びに来てくれたり、触らせてくれたりぃ・・・」

ミカは、すこしばかりモジモジしながらもミキの手を握ってくる。


「そんな・・・遊びに来るのはまだしも、そっちはダメでしょ! それにお母さんなら、子供にオッパイあげるかもしれないけど、お姉さんってそんなことしないでしょう」

「そ、それじゃ、お母さんになってください」

「あのね~。 話が変わってきてない? それにミカちゃんにはお母さんがちゃんといるんでしょ!」

『もしかしたら この娘、赤ちゃんの時にちゃんと乳離れができてないのかも・・・』

「お母さんの顔なんか、1ヶ月に1回くらいしか見ないもん。 あんなの母親じゃないよ!」

シクシク・・・


「ありゃりゃ・・・ほら泣かない、泣かない」

ミキは急に泣き出したミカに少々慌てる。

「それじゃ・・・なってくれるんですか? お姉さん」

「う~ん。 わたし、もしかしたら後2週間で死んじゃうかも知れないしなぁ・・・」

「えっ、やっぱり病気なんですか?」

「まぁ、そんなものかなぁ」

「そんなぁ・・・よしっ、それじゃ、ミカも一緒に死んであげる」

「えっ、ええーーー!!」



次回、「約束」へ続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る