第31話 ◆副作用?

◆副作用?


さて、悪阻ツワリ症状だったミキであったが、今日は芸能人御用達(口の堅い)のお医者さんに診てもらっている・・・

「ふ~ん。 それで、いつごろから気分が悪くなったのかな?」

「はい。 え~と・・・3日前の朝からです」

「それから、ずっと?」

「ずっとでは無くて、1日のうちだと朝起きてすぐと、お腹がすいた時が多いです」

「最近だと、性交はいつしましたか?」

「えっと、成功っていえば・・・セカンドシングルがベスト10に入ったのは、確か・・・」

「あ~ おっほん。 いやそっちの成功ではなくって、SEXのほうです」

「あっ・・・やだ」

かぁーーー

間違いに気付いたミキの顔がゆで蛸のように真っ赤になる。


「す、すみません。 えっと・・・その・・・4日前です。 きゃっ。 恥ずかしい」

「う~ん。その前は?」

「え~と。 たぶん1ヶ月くらい前です。 し、仕事がいそがしくって・・」

もはや顔色は、ゆで蛸を通りすぎて、熟したトマトのようだ。


「ふむ。 検査では妊娠反応は出ていません。 おそらく別の原因だと思いますが」

「えっ? あ、赤ちゃんは?」

「ですから、妊娠では無いと思います。 もう少し検査してみますが、たぶん間違いないでしょう。 それじゃ、次は2週間後に来てください」

「それじゃ・・・気持ちが悪いのは?」

「それは、内科のお医者さんに診てもらってください。 お薬も出してもらえますから」

「はい・・・ど、どうもお世話になりました」

「お大事に」

・・・

・・

さて、こちらは待合室。 サキと鋭二さんがそわそわしながら待っていた。

「あっ、ミキ!」

サキがミキを見つけるなり飛んでた。

「どうだった? 男の子? 女の子?」

オイオイ、サキてば。 いきなりそりゃ~早過ぎだって!!


「アハッ。 サキ、わたし・・・妊娠してないって!」

ミキも残念なのかほっとしてるのかよく分からない複雑な気持である。


「ええっーーーー! なんですってーーー」

結果を聞いて、サキはミキより驚く。

「だから、妊娠してないって」

「ど、どーして? だってツワリは?」

「うん。 そっちの方は、これから内科で診てもらうの」

「ミキ・・・」

「鋭二さん・・・ごめんね・・・あたし・・・」

グスッ

「泣かないで。 僕達は、まだ結婚したばかりじゃないか。」

「そうよ、ミキ。 毎晩頑張れば、すぐに出来るわよ!」

「やだ、サキったら。 もぉ」

アハハ


さて、その後、わたしは内科でも診てもらったのだが、結局原因がはっきりしなかった。

そしてその日の夜に、両親に結果を報告しに来たのだが・・・

「う~ん」

父さんは複雑な表情を浮かべ、腕組みをして唸る。

「あなた・・・もしかしたら」

「うむ。可能性はあるな」

「えっ? な、なんの話し?」

ミキは少し不安になる。


「ラットの実験ではね・・・半年ほど経ってから性転換した50%のラットに嘔吐が続いたの」

「それじゃ、わたしのもそれなの?」

「よく調べてみないと何とも言えないが・・・」

「そのラット達は、どのくらいで直ったの?」

「・・・」

「何?・・・二人ともなんで黙ってるの?」

「ミキ。落ち着いて聞きなさい」

「あなた!」

母さんが少し慌てて父さんの言葉を遮るが。


「いや、隠しても仕方ない事だ」

「えっ? それってまさか・・」

「その50%のラットの内、約半数が1ヶ月以内に死んでしまった。 残りの半分は2週間程度で嘔吐は止まり、正常な状態に戻ったが」

ゴクッ

「それじゃ、2週間で吐き気が治まらなかったら・・・」

「ミ、ミキ。 心配しなくても大丈夫よ。 お母さん達が何とかするわ。 だからねっ!」

「ひどい。 ひどいよ! 何で最初に言ってくれなかったのさ」

「ミキ・・・」

「だったら、わたし結婚なんかしなかったのに!」

「ミキ。 落ち着きなさい」

「ミキちゃん。 ちゃんと話を聞いて」

嫌っ!


バタン

ダダダダッ

衝撃の事実に、ミキは夜の街に飛び出していった。


さて、この後ミキは、いったいどうなってしまうんでしょう?


次回、「星に願いを」へ続く

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