第7話

ただ虚無感に浸る中で、彼女の声だけがやけに明瞭に脳に響いていた。

自分と別れてすぐその相手の男と付き合ったこと。

先月別れたこと。

自分とまた縒りを戻したいと言うこと。

それらを儚げに泣きながら話す眼前の女を見て、冷静な頭はただ美しいと思った。

何もかもがどうでもいいと言うような陳腐な自暴自棄と、もう一度手に入れられるなら手に入れたいと言う盲目的な感情が自分の中で自家撞着を起こしている気がした。

ただ彼女が好きだった。

それしか自分にはなかったのだと理解し、少し苦笑した僕を訝しんだのか彼女が声を掛けてくる。


「セフレになろう。それならいいよ」


僕の中の僕は、そうして静かに自殺した。

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セックスフレンド mo_modoki @mo_modoki

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