再会と際会

 ジュール号に協力する多くの船の助力で、エクセリオンが立ち寄りそうな廃棄惑星いくつかに協力者たちが待ち構えていた。ジェレミーを収容して数日後、そのうちの一つにそれらしい船が現れたと通信が入った。


 ジュール号がその惑星に近づいたとき、エクセリオンは惑星ごと包囲されていた。連合の船だといっても、搭載型のワープ装置は一定以上の速度を出す必要があるし、使えたとしても密集している状態では周りの船やこの惑星を巻き込み、ワープに必要な計算が盛大に狂う。手の込んだ自殺でしかない。


 ラグが船について確認したいことがあるという旨の通信を入れると、ジェレミーにとっては懐かしい、かの女船長の声が返ってきた。冷静というか、平常通りという風な声だった。


『分かりました。そちらへ行きます』


 ジュール号が接舷し、乗降口同士をつなぐ通路をセットすると、女船長一人でその通路を渡ってきた。乗降口すぐの気圧調整用の小部屋でラグが出迎えるが、特に不審な様子はない。ブリッジまで到着し、ラグが適当な席をすすめ、そこに座り、事務的な礼を返した。


 物陰からジェレミーが出てきて、女船長の前を通る。すると彼女は明らかにおびえだした。


「俺が怖いのか」


 あくまで、軽い感じで声をかける。ラグとマリィの作戦で、旅行先の初めて行った町ですれ違った人のような、何も知らない風を装う。怖くなんかない、のように言い繕われることを想像していたジェレミーは戸惑った。


「なぜ、貴方が生きているの……」


 ラグが女船長の前に立ち、話してくれますか、と優しく尋ねた。女船長は初めは戸惑うというか嫌がっている様子だったが、一度顔を上げてブリッジを見回し、目を閉じた。


「分かりました。お話、します。……それで、いいのね」


 ラグがもちろんだとも、と返し、ジェレミーと目を合わせた。ジェレミーもうなずいた。


「ああ。聞かせてくれ。あんたが知っている俺のことと、あの船のことを、出来る限り全部な。」

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