仲間と旅と

人物紹介

●ジェレミー・P・カークランド

 主人公。推定四〇~五〇代の地球人(おそらくアメリカ人)の男。中肉中背。髪はバリカンでざーっと刈り取っているようだ。

 記憶喪失状態で宇宙船からジロウに放り出され、原生生物むぃに助けられ、とうとうジロウを出ることができた。名前も、後から思い出したものである。しかし、思い出した他の記憶と照らし合わせると、本名なのか通名や偽名なのか、不明である。


 多少取り戻した記憶からは、彼が何らかの策謀に巻き込まれ、あるいは一員として使われ理由があって追放されたことがうかがえる。

 今の目標は、施設が充実した病院へ急行し、記憶処理の影響を弱めるしっかりとした処置を受けること。現在は記憶処理の影響を防ぐため、喪失のきっかけとなりそうな情報に触れないようにしている。


●ブール

 ジェレミーを助けたむぃ(惑星ジロウの原生生物)。人間で言えば成人したばかりに相当する。むぃとしては平均的な大きさ(直径と体高が約一メートル)と水のような体色。そしてぽよぽよした感触。

 ジェレミーを助けたあと、彼の旅に同行し、ついにジロウの歴史始まって以来の、惑星外に出た初めてのむぃとなった。が、本人(?)は特に感慨もなにもない。そういう生き物なので仕方がない。

 性格はのんびり。兄弟のネールとほぼいつも一緒。


●ネール

 ブールの兄弟。役割を持っているために意図的に人間の言葉は『共通言語』しか覚えていない。そのため人間との会話はブールを通じて行う。

 いつも楽しそうなブールと対照的にあまり動いたり喋ったりしない静かな奴。静かなせいで真面目そうに見えるが、放棄された図書館から資料を持ち出す際に、関係ない絵本をついでに持ち出すなど、ちゃっかりした面もある。


●ジョシュ

 遺伝子改良や薬物投与などでヒトに近い治世を持たされた実験用の猫、その末裔。オス。人間で言えば三〇代くらい。寿命は五〇年くらいあるらしいので十数歳か。

 ジロウ語(日本語由来)と連合共通語(主に英語とエスペラント由来)を話し、祖先ほどではないが十分な知性を感じさせる紳士的な猫。

 ただ、猫には違いないので、ごろごろしたり、動くものを追いかけちゃったり、本能には抗えないこともある。

 ちなみに、この時点でジロウにいて連合共通語を話す者はおそらく彼しかいない。


●リコ

 ジェレミーがツクバの入口で出会った装甲多脚車両『アシダカ』乗り。二〇代前半。職務上の都合で乗車中は女性を装っていたため、中性的とも違う雰囲気のしゃべりをすることがある。ジェレミーがツクバにいる間の世話係的なものをしていた。

 本人は何も思っていないが、アシダカ乗りの中では腕が良いほうで勉強の出来も悪くない。だからこそアシダカ隊の隊長は彼に、ジェレミーについていって宇宙船に乗るように命じた。


●ヒノヤ

 リコの後輩にあたるアシダカ乗りの一人。アシダカ隊最年少の一八歳(一八歳から乗れる)。

 アシダカの操縦以外何も知らないような奴なので、ジェレミーたちについていくことで経験を積んでほしいと隊長は思っている。だか本人は「何で隊長はおれを追い出したの!?」などと思っている。

 アシダカに乗っていれば先の『犬』どもにもひるまない大活躍ぶりだが、下りると気が小さくなる。ブールのような人間に慣れているむぃに対してさえ怯える。それどころか生まれたての子猫にすら怯えたことがある。


●ツキシロ

 リコのパートナーの一人であるアシダカ乗り。リコとは年が近い友人同士。もう一人のパートナーの女性に声が似ている。男性だが筋肉も脂肪も少なく痩せていて背も低い。ジロウの平均は現代日本よりもやや低いので通常でも男性一六〇センチ女性一三〇センチくらいしかないが、彼はちょうど一四〇センチくらい。


 ジェレミーを病院に送り届けたら、そこで留まって(ジロウでは失われつつある)医学知識と多少の技術を学んで帰りたいと考え志願して宇宙船に乗り込んだ。後輩と逆に、操縦は平均より下手かもしれない。


●ラグ

 ジェレミーたちを助けた中型の宇宙船ジュール号の船長。職種は人モノ両方の輸送。二九歳と言っているが三〇代前半。たまたま、確認事項が発生して近くの惑星に降り立つ必要が出てきたためジロウに降りようとしてジェレミーたちを見つけた。

 一緒に船で暮らしてくれるお嫁さん(年齢や人種などはまったく問わない)募集中。一度、自分の祖母くらいの老婦人と結婚して先立たれているくらいなので本気で年齢などを度外視してる謎の人。


●ドクター

 誰も名前で呼ばないため船長も名前を知らない(確認しないと分からない)医者。六〇代の男性。口はわるいし粗野だが腕はいい。

 専門は外科なので、専門外であるジェレミーの記憶処理への応急処置は本当に応急的な処置を施した後は、脳の働きを安定させる薬などでごまかしている状態。それを悔しく思っており、どこかで自分の専門外を担当する医者を引きずり込もうと考えている。

 ラグの両親と知り合いで、ラグが幼いころから彼を診ている。


●マリィ

 ジュール号の副長。ラグの同級生。女性としては背が高く、真面目な顔ばっかりなので船員たちからは恐れられている。たまにラグに配偶者になってくれと迫られ、そのたびにビンタをお返ししている。ラグのことは大切に思っているが、妻や恋人になるのは嫌。(関係を変動させたくないという嗜好)

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