番外・『共通言語』と、それ以外の使用言語
●共通言語
誕生した際の正式名称は「むぃと人間のための共通言語」。入植した次郎人と、原生種むぃが邂逅し、まざりあううちに作られた。
むぃたちは人間が使っている言葉(日本語の次郎方言、というべきもの)を話すことはできたが、膨大な漢字を覚えられず、また、細かい文字を書くことができなかった。人間の言葉を使用して記録をつづりたがったむぃたちのために作られたと言える。
文字は、ラテン・アルファベットを使用したものを標準とする。ひらがな・カタカナとの併用も認められている。
製作のために、言語マニアと学者、ことばに興味を持つむぃたちが集められ、第一期製作に一年、試用期間三年(その間に改定六回)を経て、正式にスタートしたのは次郎暦紀元六〇〇年であった。
(注;次郎暦のスタートは、最初の五都市を除いて初めての入植地が誕生した翌年の元旦を起点としている。物語開始時点では、細かい年代が不明で、少なくとも紀元一五〇〇年よりも後であるということしかわからない)
初めに作られた単語はatであるが、意味は「住処」で、正式なものととずれがある。
人間の営みをまねて記録をつづるむぃたちと、製作にかかわったむぃたちの子孫は、いつしか、意図的にこの言葉のみを使用するように育てられるようになった。
文法などは日本語と英語の折衷となっており、日本語の助詞相当を多く持つことで正確性をカバーしている。
●使用言語
次郎に入植した人間はすべて国籍が同じという船団であり、国籍が日本であるという人のみであるため、口語・文語ともに日本語が用いられる。
統一されているのはあくまで国籍であるため、アメリカ系、中国系など何人か異なる民族出身の者も存在したがごく少数であるので、数代でほぼ消滅したと思われる。生き残っているとしても、狭いコミュニティで固まって、隠れて生活していると考えられる。
惑星連合の共通語は英語とエスペラントをもとにしているため、少なくとも定期船が通じている間は英語とエスペラントを使用できる人間がいたはずである。(代わりにどちらかを使うこともできた)
●ほかに、かつては
・むぃたちだけが使っていた言語
・大きな戦乱の原因となった爬虫人類の言語
・「(県名)語」
(県ではなく独立して国になろう、という「(県名)独立運動」が作ろうとしたがだいたい一年たっても使用に耐えるものができず頓挫した。)
・「次郎語」
(惑星連合から脱退しようという「独立派」が作ろうとしたが以下略)
が存在した。むぃの言語は単に使わなくなって、爬虫人類語は使用者の絶滅、後者二つは単なる挫折により消滅した。なお、むぃたちは人間と暮らす前に記録を残す習慣がなかったため、復活や研究は不可能であるが、あとは、資料を研究すれば、復活できるかもしれない程度の希望は残されている(が、復活する意味はまったくないと思われる)。
●さらに番外;
ジェレミー/ドールは日本人ではない(なおかつ国籍も日本ではないと思われる)ことと、学習した記憶も「ない」ため、日本語をほぼ使用できない。使用言語はおそらく英語。(むぃであるブールに理解できたため、かつて使用されたことのある言語であると推定できる)
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