第03.5章 悪霊さんいらっしゃい

「悪霊さんいらっしゃいのコーナーデスデス」


 突然、マイナマイナが新しく捕まえた悪霊を持ってきて宣言した。

 戸惑う壱人とイッQはどうすれば良いのか判らなかったが、恐る恐るイッQが質問する。


「マイナマイナさん、このコーナー必要ですか?」


 するとマイナマイナは即答した。


「私の出番を増やす為に必要なのデスデス」


 その言葉に二人は納得する。「今回、出番が少なかったもんな」と心の中で呟き、仕方が無いので付き合う事にした。


「では、始めますデスデス」


 マイナマイナは光のサークルを描き、悪霊を人の形に戻す。悪霊は、年齢不詳で眼鏡を掛けて黒いTシャツにジーンズを穿いていた。これだけだと前に出てきた悪霊と変わらないが、一応違う霊だ。

 今回は聞きたいことが特に無いので、どうしようかと思っていたら、霊の方が何かブツブツと言い出した。良く聞いてみると、サーバとか動画などと言っている。だから「サーバがどうかしたんですか?」と訊いてみたが…


****中**に*****趣****動画*****て*******ねえよ!

***回線*******遅******だろが*********

お前ら******画******為に****高速*********無い***ぞ!

サ****バ****に負担****じゃねーよ!


 前と同じで、自分の言いたい事だけを支離滅裂に怒鳴るだけだったので、マイナマイナに中止の合図を送り、浄化の儀式をしてもらった。


「参考になりましたデスデスか?」


「これから作るゲームにサーバは関係無いので…」


 イッQはそう言ったが「でも」と付け加える。


「**中に趣味の動画は見ちゃいけない事は分かりました」


 せっかくのマイナマイナのコーナーなので有用な知識が増えた事を伝える。だがマイナマイナはその事はあまり気にしてはいないようで、こう言った。


「このコーナーは毎回こんな感じデスデス」


「毎回有るんだ、このコーナー」


(作者注)マイナマイナの出番が少ない時だけ、こんな感じでコーナーが出来ます。

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