希望が望んだ結果

6-1 希望という名の色は

 暗闇だった。

 只々暗かった。

 黒い絵の具で目を塗りつぶされたかのようだ。


「……ん」


 なにも見えない。寝ているのか、立っているのかもわからない。

 なんとなく、深海はこんな感じなのだろうかという疑問が頭に浮かんだが、暗闇に悪魔でもいるのかその疑問は取っていかれてしまった。


「俺……」


 意識はぼーっとしているが、手々島毅という自分の存在は確認できた。

 前言、いや前思撤回してもよいだろうか。暗闇なのに、自分の身体は良く見えた。手足に視界の端に捕まる髪。光源は無いのに、ここは不思議だ。


「ここ、どこだ?」


 流されているかのような感覚がいやに不安感を与え、今更な疑問を暗闇に放つ。安定を望んで手足をバタつかせるがどこにも掴まれない。


「なんなんだよ……っ」


 バタつかせながらはっきりとしてくる意識の中、思い返してみた。

 確かアネッサの家をつつき、夕飯に呼んだのは覚えている。そこから手繰り寄せるように記憶を辿ってみよう。

 バタつかせるのを止め、目を閉じる。


「アネッサが降りてきた時、何か企んでるのは気付いた」


 いつもの黒のドレスやパンツではなく、もっとラフな格好。それが変だった。光を溜めたダイヤモンドが手作りブレスレットにボンドでくっ付いているかの様だった。

 それからご飯を食べ終え、祖父を風呂へ促し……。

 少しの間記憶が終わった。


「……あぁ」


 そして一つの記憶の欠片がポトンと落ちては来たものの、それは思い出したくはなかった事実で酷く落胆した。

 無残に破壊された店内、カビ臭い芳香の中アネッサに魅せられた自分の姿。

 語られた真実。


「実は別世界の人間ってか……。全く笑えないな」


 掌を額に当てがい、首を振る。

 涙は出なかった。

 寂しいわけでも辛いわけでもない。ただ呆然とする他にこうするしかなかったのだ。


「ありゃなんだ? 悪魔か、化け物か?」


 鏡に映った自分の姿を思い返す。どう見ても化け物、泣くとすればそんな身体になったことのショックからだろう。

 今度こそ泣くかと思ったが、手は濡れていなかった。


「何も無いな」


 前を見てみた。何か気晴らしになるものが欲しかった。


「……あれ」


 しかしどうだろう、そこにあったのは景色だった。ここ程ではないが暗い。寧ろ周りが暗いもんだから明るく思える。

 星が見えるから夜なのだろう、見上げている様な視点で真っ直ぐと何かを見ていた。


「アネッサ!」


 宙にアネッサが浮かんでいるのが毅にも分かった。徐々に体の感覚が形容しがたい不思議なものに変わっていった。

 光が辺りを包んだかと思うと、意識はふっと舞って化け物の意識と重なった。


「なにをしているのです。さぁ、私を殺してごらんなさい!」


 そんな声が上から降ってきた。その声がアネッサのものだとわかる。


「……ング」


 声帯は無いのだろうか、言葉が出ない。見上げることしかできない。今の自分がどういう状況なのかも、今まで何をしていたのかもわからない。

 背中にあるのは翼だろうか、なんだかパタパタさせているが飛ぶ気配は無い。

 首を動かそうとした所、上手く動いたので周りを見てみた。自分は瓦礫に囲まれていた、家を壊したのだろうか。目の前には綺麗な一直線に地面が数百メートル程抉られている。


 さて、場は理解した。もう一度アネッサを見上げる。

 アネッサは殺してごらんと言っただろうか、確かに言った。

 どうしてこんなことになるのだろう。

 どうして自分はアネッサを殺さなければならないんだろう。きっとそれは、自分が化け物であるということに関係がある。

 では、今自分はアネッサを殺したいか。

 いや、それは嫌だ。殺したくない。


 今思えばあの時、アネッサの頬にキスをしたのは衝動からではない。家族への愛情というのでもない。自分の興奮を抑えられなかったわけでも、たぶんない。

 あれはそう、アネッサという不可思議極まりない人間をただ好きになったという、それだけのことだ。兄妹愛に似た何か、愛には違いない気がするが、なんだろう表現というのはむつかしい。


 こんなことはしたくない。アネッサを殺す事なんてできない。好きな人間を殺すなんてことはできるはずがない。それだけははっきりと言える。

 いつの間にか、目だろうか、水が流れているのが感覚で分かった。

 まだどこの感覚がどの部分なのか把握できたわけではないが、この部分はたぶん目だ。とすればこれは涙だろうか、雨は降っていない。


「ウ……」

「っ!?」


 アネッサは驚いていた。

 今この化け物は人間だった毅の意識と同じものになった。そんなことは考えてもみなかった様子で、顔は引きつっているようにも見えた。


「ア……」


 少しは声を発せられるようで、毅はアネッサと名を呼びたかったが上手く言葉が出せなかった。口が違う、骨格が違う、耳が違う。

 意味のわからない部分の感覚が吐き気を催す。頭を壊したい気分に晒された。


「なにを、言っているのですか……? なんて……」


 言葉に迷っている様子のアネッサは完全に身を強張らせていた。


「アネ……サ」


 押しだすように漸く出した声は全く聞けたものではなかったが、アネッサは今まで纏っていた闘気を解いた。


「毅、……なのですか?」

「ウ……ン」

「馬鹿な! あなたの精神はプログラムによって変異しているはずです! こんなことあり得るわけがない!」


 空気を蹴って傍へ飛んできたアネッサは化け物の姿の毅を凝視した。

 まだ信じられないといった表情をこちらに、向けている。


「こんなことって……」


 アネッサがそっと触れると、毅は途端に気が楽になって人間だった頃の感覚に戻った。

 姿は人間のままだったが、全ての器官が死から蘇ったように、毅の意識の中に入ってきた。


「はぁ、はぁ……っ」

「大丈夫ですか?」


 優しく獣の腕を撫でるアネッサは、奇跡に直面した人そのものの様子だった。未だ驚きを隠せないでいる。

 息苦しさからの解放で暫く息を整えていた毅はまだ少し息をついたまま言った。


「もうやめよう!」

「え?」

「こんなことはやめよう! 俺達がするべき事じゃない」


 自分が元いた世界のエネルギーなんて知ったことか、今はここの人間だ。作りものだって何だって、ここの思い出は嘘なんかじゃない、プログラムなんかじゃない、夢なんかじゃない。


「もう、箱庭には私達しかいないのです。今更元には戻せません」


 アネッサは寂しそうに言う。


「俺達で新しく過ごせばいい!」


 誰もいなくても、二人でここで暮らしていけるはずだ。

 スーパーやコンビニがなくなったわけではないだろう。水も電気もアネッサに頼んでちょちょいと引けばいい。店は毎日一回小さいアネッサを出してもらって、ままごとみたいな事をすれば暇よりかはいいだろう。


 色々提案してみたが、アネッサは首を振った。そして肩から下げていたポシェットから何かを取り出した。


「これは、貴方の店からもってきたものです」


 そう言って見せたのは、卒業アルバムだった。記憶が正しければレコードの棚の隅にあったはずだ。

 開いてみせた。

 見知った中学の仲間の面々、思い出。だがその中に、自分の名はどこにも載っていなかった。


「毅の存在は限りなく小さく、弱く繋がれているのです。これは貴方のプログラムに異常が起きた際、修復のために用意された追加プログラムの一つなのですが……。これに貴方の存在を上書きすることで、強固にここに存在を置くことが目的で用意されました」


 では、そこに書き込めば自分はここの人間として生きられるのか。

 希望のような明るい想像は、アネッサがまたも首を振った事によって簡単に消え失せてしまった。


「これは応急処置みたいなもので、貴方が自滅しないようにするものなのです」


 意味がわからず聞いた。


「まぁ、ストーリーの問題です。昔、そういうことがあったのが、私の記録に残っているのです」


 つまりは、以前いつかの箱庭で毅と同じような人間は自滅したことがある。ということらしい。

 方法がないってことじゃないか。


 毅はいつのまにか瓦礫に座り込んでいて、辺りには虫の音が響いていた。自分がこんな姿じゃなければ、いつもの夜の様に思えた。

 アネッサは膝を抱えて夜天を覗く。


「今日は星が綺麗ですね」

「うん」


 あぁ、残酷ってこういうことなのかなとふと思った。

 人間が人間のために死ぬことは正しいのだろうか。

 例えば、一人の善良な人間を殺してより多くの人間を助けることは果たして正か否か。人それぞれ答えはあるし、自分が思った答えを持ち続けていればいい。しかし、ここに一つの解を導いてみようと思う。

 手々島毅はこう思った。

 “わからない”と。


 漠然とわからないのではない。明確にわからないのだ。つまりはプラスマイナスの問題ではなく、合理的に思考をする問題でもなく、道徳的な問題でもなく、正論を導く問題でもない。

 道徳的な問題に近いかもしれないが、やはり答えは変わらない。問題自体が破綻しているのだ。問題にならないものに解はない、故にわからない。


 だが、もし……、もし望んでいいのだとすれば、毅は“否”と解を出したいと思った。


「毅という名は」


 横にいたアネッサが上を星空を見上げたまま言った。


「“ひとたび決意すると、何ものにも邪魔されない”という意味が込められています」


 それは、今の毅にとって希望そのものの意味だった。決意という重みが全て自分の強さになると、そういうことだ。

 心の中の針が振り切った感覚を覚えた。


「じゃあやっぱり、俺の決意は変わらないよ。ここで、二人で……」


 そう思ってしまったからだろうか、なんだか苦しくなってきた。


「っ!」

「どうしました!?」


 きっと良くないものだ。毅には分かった。暗闇の悪魔が首を絞めつけながら、またあの光の無い世界に引きずり込もうとしている。


「は……離れ、ろ」


 そうして世界は遠くなっていった。

 きっともう戻ってはこれないだろう。

 そんな気がした。

 離れていく星空があんまり綺麗だったのが悔しくて、畜生と言葉を吐きだした。


 遠くの方で微かに、「待っています」と声が聞こえた。



 凄まじい雄叫びが辺りを轟かせた。


「ウ、グァアアアアアアア!!!」


 ビリビリと感じている肌が痛い。窓のガラス等には罅が割れ、砕けるものもあった。

 アネッサはその場を蹴ってまた夜空に塗れると、辺りを俯瞰した。

 虫音はもう止み、振動が地平線の果てまで届いているように思えた。


「あの様子。異常形態……? “外”から何かしましたか」


 悪魔に戻った毅は禍々しい気を帯びてその眼光を煌かせていた。獣らしさを残した以前の形態より幾分悪魔に近付いたような気がする。

 視線を向ける先にはアネッサ、星々に連なるピジョンブラッドの瞳が不思議に輝いていた。


「ガァア!」


 悪魔は眼光を一層光らせ辺りの雑多を錬成し始めた。

 今までの粗暴な魔法ではない、精巧な操作で刹那たる速度で巨大な槍を創りだすとアネッサ目掛けて放った。


「魔法精度の向上、……いえ、それだけではないように思えます」


 月をも落す勢いの銀の槍をアネッサは掌で上から叩いた。槍は力のコントロールを失い、回転しながらアネッサを通り過ぎていった。

 急激に上達した魔法、そしてその容姿。外界から何かしらの接触があったのは確かであった。


「グァア!」


 今度は傍の地面から土の龍を溢れさせ、雷に錬成してアネッサへ突進させる。

 凄まじい雷鳴を響かせ龍は大きく口を開けた。


「明らかに追加プログラムによる反応と見えます」


 涼やかに、自分に噛みつこうとする雷の龍に向けて吐息を吹きかけた。すると龍は何万もの黒蝶に弾けて変わり、夜の空やアネッサの目の前を通り過ぎていった。


 “外”の人間はこの研究を成功させるために今まで何万通りもの実験を繰り返してきた。今更諦めるわけがない。だがこんな横暴なやり方では奴らの望むものは手に入らないのはわかっているはずだ。

 ならばなぜ、悪魔は異常な反応を見せ続けているのか……。


「――もし」


 もし、という可能性の話。

 この研究の残酷さに嫌気がさした人間がいれば、この実験を終わらすために追加プログラムを加える理由にも納得ができる。

 そう考えた所で、アネッサは自分の中に違和感を覚えた。今まで見つけた事の無かった記憶の引き出しが、ぱっかりと開いていたのだ。


「ふふっ、あーなるほどなるほど。これは嬉しい贈り物ですね」


 疑問を巡らせていたアネッサは、そっとその引き出しの中から記憶を取り出した。途端に嬉しくなり笑みを零しながら腿の銃を抜いた。


「この物語は、まもなく終わりを告げます」


 終わりを告げる。物語はこの延々と引き延ばされていくこの実験に、漸くラストコールの舞台を整えたらしい。


「盛大にいきましょう!」


 天へとその銃口を向け、引き金を押しこんだ。軽い発砲音と共に夜へと放たれた弾は、ゆるゆると上がっていくと花火となって綺麗な八重咲きを見せた。

 花火は次々と咲き乱れ、大天を覆っていく。

 胸に響く爆破音が気持ちをさらに高揚させ躍らせた。


「毅っ!」


 いつもの黒のドレス姿になったアネッサは、未だ狂気を纏う悪魔に飛びつくように近づき、その腕を取ると空へと昇っていった。

 それはまるで美女と野獣の如く、ダンスでも踊るかのようにくるくると、花火の灯の下で舞った。


「あっははは!」


 楽しそうに笑うアネッサ。未だ悪魔の意識のままの毅は、そんなアネッサに向けて拳を上げた。

 しかし、突然悪魔の身体に罅が割れると、次にはガラスのように砕けた。

 悪魔の欠片は赤や黄色、青のマーブル模様となってきらきらと二人を包むと、アネッサが掴んでいた腕は人間のものに変わっていった。


「うわっ!」


 まるっきり人間の姿に戻った毅はいきなりの空に動転したが、直ぐに体勢を整えた。


「毅っ!」


 アネッサは再び名前を呼ぶと、腕を引っ張って毅を抱きしめた。

 幸福感に満ちたその顔には涙の伝った跡があった。毅も恐る恐るアネッサの背中に手を回す。


「アネッサ、これって……?」

「毅の異常形態に反応した私の隠しコードが起動したんです」


 説明に対し理解を得ない毅は疑問符を浮かべた。


「どうなるの? 俺達」

「この物語は終わりを告げました」


 御覧、とアネッサは抱擁を解き、既に昇り始めていた朝日を指差した。

 朝日に当たったものは悉くガラスの様に砕け、綺麗なマーブル模様となって天へと降る雨となっていった。

 その景色がこの箱庭の終わりを告げるものだと分かる。

 こんなに神々しい朝日があっただろうか、地から伸びる色彩は光を受けて輝き、アネッサや毅の身体をその光で染めた。

 絵画にすればきっと美しい一枚になるであろう。

 その眺めの中、アネッサは一言。


「お別れです」


 尚も嬉しそうに言った。毅は反応的にアネッサの横顔を見つめる。

 瞳が本当に宝石のようで、お別れという言葉に思わず嫌だと叫びそうになった。


「お別れって、どういうことだよ!」

「なにもかも、終わり。貴方は元の世界に帰るのです」


 微笑みながら、アネッサは毅の瞳を覗いた。明らかな不安を溜めたその色は、光が差し込んでいるせいかブラウンの虹彩が良く見えた。


「アネッサはどうなるんだよっ!」

「私はただのプログラムです。貴方の生きていた世界へは一緒には行けません」

「なんだよそれ!」


 気持ちの焦りが毅を憤慨させる。

 この世界はもうすぐ消える。打開策を考える余裕もない。


「ここに生きた貴方は死に、私はプログラムとして仕事を終えるのです」

「そんな……っ」


 この箱庭がどの程度広いのかはわからないが、逃げてみてはどうだろうか。

 あるいは一か八か魔法でどうにかならないだろうか。などと考えを巡らせはするが、目の前のアネッサが本当に嬉しそうに微笑んでいるのを見ていると、どうにも言葉が出ない。


「っ!」


 朝日が昇るにつれ、いよいよ辺りのマーブル模様は上昇気流となって毅の身体を勢いよく浮かし始めた。

 咄嗟にアネッサの腕を掴む。

 何故かアネッサだけは何とも無い様子で、ただ掴まれた腕でなんとかそこにいる毅を見上げていた。


「奇跡とは、起こるものなのですね。諦めかけた最後の最後にこうなる事を、私は本当に嬉しく思います」

「なに言ってんだよ!」


 両手で掴もうともう片方の手を伸ばすが、激しく自分を噴き上げる気流が邪魔で上手くいかない。

 指の隙間から色とりどりの雫が滑り抜けていく。


「貴方と出会えてよかった。今回はなんとなく、前より楽しく過ごせた気がします。こういう結果になったからでしょうか?」

「アネッサ! 引っ張ってくれ! 飛ばされちまう!」


 掴んだ手も限界が近かった。


「毅、ここでの貴方は死んでしまいますが、……もし、もしこのアネッサを思い出すことができたら、いつか会いに来てくださいね」

「っ! アネッサーーーー!!!」


 マーブル模様が強く吹きあげた所で、毅は遠くの空へ飛んで行ってしまった。


「……バイバイ」


 名残惜しそうに毅を見送ると、消えてなくなった空から視線を外し、ポシェットからお気に入りの丸テーブルとイス、ティーセットを出した。

 そして、朝日に消える箱庭を眺めながら、紅茶を嗜んだ。


「本当に、ありがとう」


 一口飲み、いつもの澄まし顔な笑顔で満足げに言った。

 ただの人形である自分がこんなに幸福感に満ちることなど、想像もつかなかった。何万もの自分がこんな形で報われる事をアネッサはいつかどこかにいる神様に感謝した。


 朝日の眩しさは一層増し、辺りのマーブル模様と共にアネッサの姿は虚ろになっていった。


 暗転し、朝日も街もマーブル模様も何もなくなった箱庭は。


 無機質なノイズ音を鳴らすだけになった。


 箱庭は消滅した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る