『Ruby王子の1日』~国王と王妃~


更衣室を出て、両親…国王と王妃のいる王室の前で立ち止まり、王子は軽く息を調え。


「お待たせ致しました。父上、母上、Rubyです」


と扉を開け、中に入る。


王座にはこの城の国王ーOpal(オパール)王ー


隣の椅子には王妃ーGarnet(ガーネット)妃ー


が座っている。


王座へと続くレッドカーペットの両脇には既に他の従者、


Jade(ジェイド)

Peridot(ペリドット)

Topaz(トパーズ)

Turquoise(ターコイズ)


がいる。


Amethyst(アメジスト)もそこへ並び。


Rubyは王座の前へと膝間づき両陛下へ頭を下げた。



「支度が遅くなり申し訳ございません、父上母上」


Rubyは普段使わない様な口調で両陛下に詫びの言葉を述べる。


すると。


「おぉ待ち遠しかったぞ!Ruby、顔を上げよ!!もう立派な青年になりおって!パパ泣いちゃうぞ!?」


威厳のある顔立ちと髭に虹色の瞳をキラキラさせた王が立ち上がり大きな声で大袈裟に言う。


「貴方、落ち着いて。良く来ましたね、Ruby。その衣装、凄く似合ってるわ。流石私に似て綺麗」


Garnet王妃は座ったままOpal王を嗜めつつ、透き通った緋色の優しい瞳をRubyに向け、何気に自分を引き合いに出し自慢の言葉を発する。


…我が子が我が子なら親も親だ。


「有り難うございます。これもここまで育てて下さった父上と母上のお陰です」


顔を上げたRubyがニッコリと心から微笑んだ。


「私達も嬉しい限りだ。なぁ、Garnetよ?」


「えぇ、国王」


二人も笑顔で応える。


「それよりも、早速お前の生誕の式典をせねばのう。他の民も街中に並んでおるぞ!」


「そうね、皆貴方の姿が待ち遠しいみたい。行きましょうか」


「はい」


王妃がそう促し、両陛下が王座からRubyのいる元へと階段をコツリコツリ、とゆっくり降り始め、Rubyも立ち上がり両陛下の後ろを歩き出し、従者たちも後へ続く。



ーいよいよRuby王子のお披露目の時が来たー


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