『王子の1日』~馬子にも衣装~


ー暫くしてー


「お召し替えと準備が整いました」


Obsidianが扉を開け、廊下で待っている3人にニコッと珍しく笑顔で告げる。


待ってました!とばかりに3人?がその部屋の中へ入ると。


「どうだ?…変、か?」


振り向いた王子の姿に目が釘付けになる。


何故ならば、派手過ぎず控えめ過ぎず、赤と白を基調にした衣装とあしらわれた宝石がどことなくキラキラと輝き、胸元に白いスカーフ状のリボンの真ん中。


大きめのルビーがそれを引き立て。



髪型は前髪を斜めに分け、片方の横髪を耳にかけてサラッとした髪質は残したまま整えられたその出で立ちはとても美しい…と良うか、なんて表現すれば良いのか分からない。


「…なんとか言ったらどうなんだ。似合わなければ違う服に…」


「いえ、あまりにお綺麗で。良くお似合いですよ、Ruby様」


言いかけた王子に対し、先に声をかけたのはObsidianが。


「やーん!やっぱり私の目に狂いは無かったわぁ!!」


次にLapisが。


「か、感激です…っ!」


続けてLazuli。


そして…


「良いじゃないですか、馬子にも衣…」


…Amethystが。


「何か言ったか、Amethyst?」


「なーんにも?」


王子が冷たい視線でAmethystを見やると何も発していなかった態度で返した。



そこで扉の向こうから…


『Ruby様お支度は…』


と、Onixの声がかかる。


「さぁ、参りましょうか」


「あぁ」


Obsidianに促され、王子と仕立て屋二人を残しAmethystが部屋を後にした。



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