『Ruby王子の1日』~着替え~


ーコンコンー



『皆様、よろしいでしょうか?』


そんなやり取りをしていると、ノックの音と共に、Obsidianが顔をチラリと覗かせた。


皆Obsidianに視線が集まる。


「オブちゃぁーん!身体触らせ…」


「あぁ、どうした?」


今にも抱き着こうとするLapisのおでこを押して止め、尋ねるとコホンと咳払いをしてこう話した。


「そろそろ衣装が出来上がる頃合いかと思いまして、お召し替えのお手伝いを」


もう長年仕えてるだけあってよく知っている。


タイミングも完璧だ。



「分かった」


「それでは…」


「ん。………ちょっと待て」


ObsidianがマネキンからRubyの衣装を取り外し、着やすいように用意をし、王子が服を脱ごうとして手を止めた。


「何故お前らはまだ此処にいる」


「えー?だって王子の従者ですしぃ?」


それは先程聞いた。


「王子の裸体を今後の衣装作る時の参考に!」


裸体は関係なかろう。


「あ、あの、僕は…ッ」


そんな、手で目を覆い隠されてもその場にいなければ良いのに。


「…出ていけ」


「「「えーっ」」」


おいおいおい、お前たち。


「Ruby様以外の皆様はお外で。衣装を着こなしたお姿、楽しみではないのですか?」


見かねたObsidianが助け舟をだしてくれた。



…が。


「でもー、着替えも王子の従者がやるべきだと思うんですよねー」


「裸体が見れないなんて勿体無い!」


「ぼ…僕は出て…」


一名を除いては中々出てこうとしない。


…しょうがない。


こうなった時の手段を使うか。


「…そんなに僕が着替える所が見たいのか…?僕、恥ずかしい…」


「「「……ッ!」」」


Rubyが首を傾げウルッ紅色の瞳を潤ませ上目遣いでハニカミながらそう言うと効果はてきめんだった様で。


「王子ごめんなさい!」


「そ、そうねっ!楽しみは後に取っておかなくちゃっ!!」


「し、失礼しましたッ!」


と、速やかに更衣室から出ていった。


「チョロいな」


王子は悪魔の笑みでニヤリと微笑む。


それから「Obsidian」と、姿勢を名前を呼んだ本人に向き直る。


「は、ただ今」


Obsidianがかしこまって頷き、それを合図にRuby王子がパサッと服を脱いだ。


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