『Ruby王子の1日』~職人技~
密着していた身体が離れた事にほっと胸を撫で下ろす。
「そういう事なら話が早いな。頼む」
「任せてぇ!」
王子がそう言うと、Lapisがスケッチブックに大体の服のデザイン画とsize等をサラサラッと書き上げる。
「こんな感じ?大丈夫!身長は変わってないから!!」
「何が大丈夫なんだ、何が」
違う大丈夫が入り、Ruby王子が不服そうに呟くも無視され、Lapisはテヘペロとペ○ちゃんの如く舌を出して誤魔化した。
そして急に真面目な顔と声で、「Lazuli」と名前を呼びスケッチブックを渡すと。
「了解、姉さん」
Lazuliはそのスケッチブックをパッと見ただけで必要な布とハサミ、片手に付けたまち針
で置いてあったマネキンに、簡単に王子の服を仕立てた。
「こんな感じですかね?」
「………」
「おぉ~♪」
いつもの光景ながら言葉の出ない王子と、感嘆の声を出すAmethyst。
「すぐ仕上げちゃいますね?」
「私も手伝うからすぐ終わるわよぉー!」
二人がそう告げ、丁寧に且つ手早く布が縫われていく。
そして最後に所々ルビーの宝石が施された、生誕式にピッタリの衣装が出来上がった。
「ふぅ…」
「こんな物かしら?」
ものの十数分で、しかも汗一つかかずこの出来映え。
「…相変わらず腕は流石だ。腕だけはな」
あまりの手際のよさにRuby王子も褒めるしかない。
一言余計だが。
立派な衣装をマジマジと見たAmethystが羨ましそうに…
いや、不満げに口を尖らせ口を挟む。
「王子ばっかりズルいー!僕にも作ってー!」
「アメちゃんは今度ねっ!」
「す、すみません…これが仕事なので…」
パチッとウィンクをするLapisと申し訳なさそうに謝るLazuliに対して更に頬を膨らませるAmethyst。
王子差し置いてこの態度。
「Amethyst、立場を忘れたのか?お前は僕の従者だ。」
「…あ」
流石に王子が突っ込むと、デジャヴの如くAmethystがペ…以下略、をしたのだ。
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