『Ruby王子の1日』~仕立て屋姉弟~


「………」


「ララランランランッ♪」


寝室を出てコツコツと歩く。


…Amethystも一緒に。


鼻唄を歌いながら付いてくる付き人に、王子が立ち止まり一言。


「…何故お前も一緒に来るんだ」


「えー、だって王子の従者ですしぃ~?」


「ならば、Peridotはどうした」


「トイレにでも行ったんじゃないですかー?」


「………」


いけしゃあしゃあと嘘を吐くAmethystにもう慣れたのか、Ruby王子は再び黙って歩き出し。


職人が待っていると言う更衣室へと向かう。



そして更衣室の扉をギイィっと開けた瞬間。


「王子待ってたわぁ!!」


藍色のセミロングヘアーの女性がいきなり王子に抱き着いた。


「Lapis…毎回僕に…」


「んー、相変わらず良い身体!」


「話を聞け」


Ruby王子を抱き締めながらサワサワと身体を触りまくるデザイナーの女性ーLapis(ラピス)ー


「ね、姉さん…!」


その様子をどもりながらオロオロと一応止めに入る、同じく藍色の少しだけ長めのショートヘアな作り手の弟ーLazuli(ラズリ)ー



「Lapisちゃん、Lazuliくんおっひさー♪」


「あらぁ、アメちゃん!」


「お、お久しぶりです、Amethystさんっ…!」


王子の背後で手をヒラヒラと振り声をかけたAmethystを見た二人は(一人は軽いノリで)挨拶をする。



「挨拶なんかどうでも良い。僕の今日の服を…」


「それなら今のでフィッテング完了よぉ!」



王子が言いかけると、Lapisが身体を離してグッと親指を立てた。


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