『Ruby王子の1日』~メイドと世話役~


「そうだった。僕、今日で成人だ」


「やっぱりですか…」


「王子ってばオチャメさん!」


自分の誕生日をすっかり忘れてたRubyの一言にPeridotは脱力し、Amethystが茶化す。


ーコンコンー


そんな何とも言えない間の抜けた雰囲気の中、扉の戸が叩かれた。


「…入れ」


「「失礼致します」」


Ruby王子が短く返事をすると、


真っ黒なボブショートのメイドーOnix(オニキス)ー


と、黒に所々白銀の結晶の様な色が混ざった長髪を後ろで束ねた世話役の男ーObsidian(オブジディアン)ー


が、静かに入ってきた。


「Ruby様、国王様と王妃様がお待ちでございます」


と、丁寧にお辞儀をし伝えるOnix。


「お召し物は特別に職人が直接仕立てたいとお逢いに…」


と、少し言いづらそうにObsidian。


「…ゲッ、"アイツら"か。分かった、すぐ行く」


若干苦い顔をしてシャツを羽織り、王子は渋々ベッドから降りた。


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