エフェクトストック
DX3rdはリプレイなどでも、経験点を支払ってシナリオ中に新たなエフェクトを取得するなどの演出が見られている。
実際、異能バトルでは危機に直面した際や、最後のダメ押しとして新たな能力や普段潜在している能力が発現するなどは良くある展開であり、良くあるという事はそれだけ古くから好まれている熱い展開であると言う事でもある。
DX3rdでもそれらを象徴するように侵蝕率制限のついたエフェクトや、タイタスの昇華効果や侵蝕率ボーナスなどがプリセットとして準備されているが、セッション中に新たなエフェクトを取得するとなると、GMにもPLにも中々データ管理が難しく、よほど参加者全員が習熟した環境で無ければ活用が難しいと言う問題がある。
この問題に対処すべく、物の試しと考えてみたのが、こちらのハウスルール、『エフェクトストック』である。GMもPLもある程度気軽にセッション中のエフェクト修得及び潜在エフェクトの発現をやりやすくしたいという思いから考案したものである。
◆『まずは「エフェクトストック」としていくつかのエフェクトをプリプレイで設定する』
エフェクトストックはPCのシートデータの一部として扱う。エフェクトストックに設定できるエフェクトはそのPCが取得できるエフェクトに限る。エフェクトストックに設定できるエフェクトは合計で経験点45点分までとする。ただし、エフェクトストックに指定したエフェクトは経験点を消費しないため、あくまで目安である。エフェクトストックは45点分指定しても、1つも指定しなくても、等しくエフェクトストックによるシートの消費経験点は0である。これは、エフェクトストックに指定しているエフェクトはあくまで未取得のエフェクトだからである。未取得エフェクトに経験点を支払う必要は当然ない。
エフェクトストックの指定の仕方は自由である。1つだけエフェクトストックに指定するならそのエフェクトは最大Lv7まで(PCが取得できる最大Lvを越えていなければ)指定できる。逆に3つのエフェクトをエフェクトストックに指定すれば、それらは全てLv1である。エフェクトストックに指定したエフェクトは通常の経験点消費でLvをあげることはできず、また、エフェクトストックに指定したエフェクトは通常取得ができない。通常取得したい場合はエフェクトストックから外す必要がある。エフェクトストックはGMが許すなら、プリプレイの度に自由に設定し直して構わない。ただし、原則としてセッション中のエフェクトストック変更は認めないものとする。
◆『エフェクトストックの使い方』
エフェクトストックに指定されているエフェクトは基本的に使用ができない。使用できるようにするためには、オートアクションで2d10点の侵蝕率を上昇させる必要がある。こうして2d10点の侵蝕率を上昇させたら、そのシーンだけ、エフェクトストックに指定されているエフェクトを経験点15点分だけ使用する事が出来るようになる。その後は通常取得しているエフェクトと同じように扱う。例えば、エフェクトストックにLv1のエフェクトを3つ指定しているなら、2d10点の侵蝕率を払うことで、いずれか1つのエフェクトをLv1で使用する事ができるようになるのである。さらに1d10点支払って合計3d10点支払うなら30点分、さらに1d10点支払って合計4d10点分を支払うなら、45点分である。最大Lv7のエフェクトを1つだけエフェクトストックに指定したとしても、2d10ではエフェクトLvは1、3d10でようやくエフェクトLv4、4d10支払ってやっとこエフェクトLv7である。また、エフェクトストックを使用したシーンでは、そのキャラクターは通常ジェネシフトを行えなくなる。エフェクトストックを使用するための侵蝕率増加はジェネシフトの亜種として扱う。
つまり、エフェクトストックを最大限活用するつもりなら、ジェネシフトを使用する能力を失い、その上で追加で4d10も侵蝕率を上昇させる必要が生まれるのである。
ハッキリいって非常に効率が悪い。
だが、効率が悪いからこそ、エフェクトストックは最後の切り札であり、安易に使用する事が出来ないハイリスクでラディカルな選択肢になるのである。
◆『エフェクトストックで取得したエフェクトの回数制限や基礎侵蝕率増加などについて』
どちらもずっと持続計算とする。例えば1シナリオ1回のエフェクトをエフェクトストックで取得し、シーン終了時に未収得に戻ったとしても、そのエフェクトの使用回数が回復したりはしない。次のシーンでまだエフェクトストックを使用して取得しても回数は0のままである。また、エフェクトストックで取得したエフェクトによって基礎侵食率が増加した場合、増加分を現在侵蝕率にも適用し、また、増加した分はセッション終了時まで減らないとする。かわりに、別シーンで再取得した場合にまた重複して増えたりはしない。
仔細は以上である。
このようにプリプレイ段階から外付けエフェクトを視覚化しておくことで、PLも選びやすくなり、GMも事前に確認する事で切り札の1つとして認識する事が出来るようになる。
無論、ハウスルールはハウスルールでしかないので、この提案はあくまで提案である。
もっとエフェクトストックの経験点を上下させてもいいだろうし、コストを適宜調整してみるのも良いだろう。
ただ、どっちにしろこのハウスルールは更にルールを複雑化させる事に変わりはない。
卓面子が皆、ゲームに習熟し、一味違うダブルクロスを楽しみたいという時にだけ、あくまで選択肢の一つとして、採用を検討すると良いだろう。
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