ロールプレイしかしたくない人のためのDX3rd
DX3rdを長くプレイしている方になればなるほど分かると思うのだが、DX3rdは数字回りが偉く豪快でどんぶり勘定なゲームである。
しかし、それのお陰でこのシステムは小難しい戦略を考える必要がなく、判定も戦闘も非常に大雑把であるため、演出やロールプレイをのびのびと楽しみやすいという特徴がある。
しかし、戦闘バランスをきちんと戦略的かつ戦術的に楽しめるように整えたいと思う方々には、言葉を濁さずに言えばウケが悪いシステムであると言わざるを得ない。
故に、このシステムを楽しんでいる方がはどちらかと言えば、TRPGの
かくいう筆者も、こんな寸評書いておきながら、基本的にはバリバリのRP大好きっ子であり、DX3rdにおける「G」部分にあまり注力していないと言うか、正直に言えばかなり手を抜いている。
そのため、「RPだけしていたいなぁ」と、「だったらTRPGなんかしてんじゃねぇ」と謗られても文句が言えないような事を思う事も多々ある。
しかし、先日、その事を知人に話してみた所、同じプレイグループであるが故か、その知人も「実は自分もそう思っていた」と言ってくれた為、それならいっそ「RPフリークのRPジャンキーによるRP中毒者のためのハウスルール」でも試作してみようじゃないか、という話が持ち上がった。
此処で紹介するルールは、まさにその叩き台第一弾であり、若干カッコよく言えば試作第壱号である。
バランスなど無論欠片も考えていない上に、「DX3rdでそれやる必要あるのか?」と言われたら全くその通りであり、もっと言えば「Aの魔法陣でも適当に弄って遊べ」とか言われたら、まるで反論の余地がないというか、至極仰る通りとしか言えないのだが、そこはこう……何と言うか、これは一個人による、ただの提案に過ぎない事なので、どうか御寛恕の程を切に望む次第である。
しかし、もし興味があれば、是非とも趣旨を理解した上で、諸氏もこのハウスルールで遊んでみて欲しい。
『基本ルール』
●キャラクター作成
まずはシンドロームとブリード、ワークスとカバー、ライフパスのみをきめ、その後にキャラクター設定などのプロフィールを作成する。
エフェクトは罹患しているシンドロームとキャラクター設定のイメージソースのみで演出が可能であるため、個別取得は行わない。また、イメージソースに適しているのならば、実際のエフェクトリストにないような効果のエフェクトを使っても構わない。逆に能力を著しく制限し、普通のプレイではまず運用不可能な程、単一エフェクトに特化したオーヴァードを演出してみるのも面白いだろう。実際のプレイでビルドや運用法を考えるのは中々手間である構成のオーヴァードをプレイしてみるのも良い。
ステータス計算及び技能計算を行わず、エフェクト処理も簡略化するため、リソースは侵蝕率とロイスのみ。DロイスやSロイスなどの特殊ロイスは単純に設定の一部として扱う。
ロイスの取得は通常通り、固定ロイスはキャラクター作成で行い、通常ロイスはセッション中に取得し、最大数は7個とする。
●ミドルシーンの進行および判定
基本的に判定は行わず、RPのみでセッションの進行と解決を行う。
シーンイン時の侵蝕率増加の有無はGMによる選択ルールとし、情報判定や調達判定はRPの演出などにGMが納得すれば成功とする。GMは判断に困った場合、参加PL達の意見を仰いでも構わない。
調達判定で得られるアイテムや武器などは、キャラクター設定の一部として扱う。
●エフェクトの使用
エフェクトを使う際は「現在侵蝕率の10分の1の値(小数点以下切捨て)+4d10」を振り、最低で固定値、最大でその合計値までPLの任意の数だけ侵蝕率を増加させる。例えば、侵蝕率が35%であるPCならば、3+4d10を振った後、最低3~合計値の最大数まで任意の値分だけ侵蝕率を増加させ、その後にエフェクトの演出とRPを行う。侵蝕率が105%のPCならば、10+4d10である。
増加させた値が高ければ高い程、エフェクトの効果が高まる。エフェクト効力の単純な威力はピュア>クロス>トライとする。クロスやトライのほうが行える演出の幅が広くなるかわりに能力の専門性は低下するという考え方である。
また、イージーエフェクトのようなごく簡単な演出のためにエフェクトを使う場合は、侵蝕率は増加させなくて良い。
演出したエフェクトの効果が支払った侵蝕率に比べて大きすぎるとGMが判断した場合、GMは追加で侵蝕率を増加させる事をPLに要求しても構わない。
一応、どれくらいの侵蝕率でどれくらいの効果を発揮するか、簡単な指標を記載しておくが、こちらの記載よりもGMのゴールデンルールと判断を最優先とする。
侵蝕率増加なし → イージーエフェクト相当。もしくはエキストラに対する干渉など。
最低値増加 → コンボ無しの素振りエフェクト程度。マイナー消費相当の行動。
10%以上増加 → 単発の攻撃エフェクトや安いコンボ。メジャー消費相当の行動。
15%以上増加 → 通常のエフェクトコンボ、回数制限のある単発エフェクトなど。
20%以上増加 → 高威力なエフェクトコンボ。エージェントでも負傷は免れない。
25%以上増加 → 全力でのエフェクトコンボ。フルコンボ相当。
30%以上増加 → 限界を超えたエフェクトコンボ。そう何度も撃てる技ではない。
40%以上増加 → 捨て身のエフェクトコンボ。使った側も無事では済まない。
50%以上増加 → 「日常」の何もかもを捨て去る覚悟でエフェクトを行使する。
●戦闘(選択ルール。戦闘ルールを使わない場合は全て通常シーンと同様に処理する)
基本的に戦闘も演出とRPのみで行うため、通常シーンと同じように進行させる。
つまり、RPのみで戦闘の進行と解決を行う。
行動値もないので、行動の順番は適当でいい。また、ジャームは行動回数を任意で何回か増やして構わない。ボスなら常時二回行動くらいでも構わないだろう
しかし、エフェクトの撃ち合いはするので、簡略化されたダメージの処理だけお互いに行う形である。
ジャームのエフェクトの威力計算もPCと同様「現在侵蝕率の10分の1の値(小数点以下切捨て)+ダイス」であるが、ダイス数がPCとは異なる。
通常程度のジャームなら2d10とし、ボスなら3d10、マスターエージェントなどの強大なジャームであるなら4d10、公式のネームドNPCクラスなら5d10以上とする。ジャームは常に合計値の最大値でエフェクトを行使し、侵蝕率もまた使えば使うほど増加していく。また、オーヴァードではないエネミーの場合は単純にダイスだけ転がす。転がすダイス数は上記の判断基準を元にGMが適当に調整して欲しい。
敵の攻撃によりPCがダメージを受けたか否かの判断はPLが任意で行って構わないが、揉める場合は最終的にGMが判断する。その結果、PCがダメージを受けた場合、侵蝕率が100%未満であるなら、ダメージを受けるたびに1d10ずつ侵蝕率を増加させていく。100以上であるなら、ダメージを受けるたびにロイスを1つずつタイタス昇華していく。ロイスが全てタイタス昇華された場合、そのPCはロストする。
また、エフェクトを使う際にロイスをタイタス昇華させても構わない。その場合、基本的にタイタス昇華させて行ったエフェクトの演出を優先する。
無論、敵が強大なジャームやオーヴァードであればあるほど、PC一人では太刀打ちができなくなっていくため、PC側はエフェクト効果を複数人で合計して敵のエフェクトに対抗して構わない。ジャームの25%増加相当攻撃に対して、PC3人で10%ずつ出し合って対抗などしてもいいのである。対抗した結果、PCが使った対抗エフェクトの侵蝕率合計値が相手のエフェクトの侵蝕率合計値を上回った場合、相手のエフェクトの効果を打ち消す。また、エフェクトへの対抗は手番を消費するものとする。エネミー側がエフェクトに対抗する場合はダイスのみとする。振れるダイスの個数は通常程度のジャームなら2d10とし、ボスなら3d10、マスターエージェントなどの強大なジャームであるなら4d10、公式のネームドNPCクラスなら5d10以上とする。
エネミーへのダメージは単純にPCが攻撃に支払った侵蝕率増加率をそのまま適用する形で構わない。10%支払ったエフェクト攻撃なら10のダメージであり、30%支払ったエフェクトの攻撃なら30のダメージである。HP指標は雑魚なら15程度。ボスなら30×PC人数程度を基本として、適当にGMが調節してほしい。装甲やガードを演出したい場合は、最低何%以上支払った攻撃でなければ通用しないなどの制限をつけるといい。エネミーの耐久力は当然マスクデータである。
●バックトラック
通常通り行う。
『以下、手抜き簡単バージョン』
普通に遊ぶ場合と同様のルールでキャラクター作成を行うが、「リザレクト」以外のエフェクト、アイテム、Dロイス、特殊能力などのルールテキスト部分(ダイス増やすだのダメージ増やすだの自動失敗させるだの)だけを全部無視して、イージーエフェクトのように運用して遊ぶ。
他は通常ルール通り。
戦闘時はダメージエフェクトの攻撃力部分のみ採用して他は全部無視し、通常通り判定を行って殴ったり避けたりする。装甲とガードはない。それらを付与するアイテムやエフェクトはなんか適当に演出してGMがOKしたらGMが提案したぶんだけダメージを軽減する。また、攻撃力が存在していないエフェクトでも、上手い事使ったらGMが適当に判断してダメージを発生させてもいい。
またルール上、いつも通りにジャームを作ると侵蝕率ボーナスの関係で圧倒的に強くなってしまうため、GMが適当にジャームの能力値を下方修正して調整する。
概要は以上である。
なお、あくまでこれは筆者による提案程度のものであるため、運用に際して細部はいくら好きにいじくりまわしてくれても構わない。
筆者の好みで敢えて内容はふわふわにしているだけであるため、ふわふわが嫌な人は追加ルールなりなんなりでキッチリ裁定を決めてしまって良いのだ。
GMによるゴールデンルールがいかなる時も最優先である。
また、このハウスルールは完全にゲームと言うよりはRP遊びもとい、ごっこ遊び仕様であるため、このハウスルールを採用する場合は、賛同者がいるか否かをよく検討してから採用して欲しい。別にDX3rdは普通に遊んでも楽しいのである。普通に遊びたいという人がいるのなら、これらの提案や採用はおせっかいどころか迷惑になりかねない。
ハウスルールに限った事でもないだろうが、よくよく、そういった部分は検討し、コンセンサスを取ってから遊んで欲しい。
最後に。
この記事は個人用メモ帳のようなものであるため、予告なく色々変更される事もある。
基本的に提案のようなものでしかなく、使う側に好きなだけ改造して貰って良いものでもあるため、そのあたりの勝手は御容赦頂きたい。
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