ノイマン「複数武器利用射撃アタッカー」

●クロスブリード射撃攻撃型

▼コンセプト

 ノイマン罹患者曰く「1本で殺せないなら2本持って、それでもダメなら3本持て。それでもダメなら4,5本、いや、もういっそアレだ、6本持て」……という有難い教えがあることを、諸氏等は御存知であろうか?

 この知的な教えにより「マルチウェポン」や「ヴァリアブルウェポン」といったエフェクトが今日のルールブックに収録されている事は、皆々様周知の事実であると思われるが、同じように、あれらのエフェクトを使うにはノイマンピュアでは運用が難しく、思う様に武器の調達ができないという致命的欠点もまた、周知の事実であると思われる。

 だが、そこを知恵と固定値とエフェクトと購入判定を駆使して、知的に無理矢理武器の頭数を揃えてなんとか敵をぶん殴ろうというビルドが、このノイマンピュアでのヴァリアブルウェポン型射撃アタッカーである。

 とはいえ、このビルドは都合上、何度も購入判定を行うので、最低でも六回……いや、二回か三回くらいは購入判定が出来る環境でなければ、そもそも戦略が破綻してしまう。つまり、非常に環境に依存するビルドであり、卓に持ち込む際はくれぐれも、GMや他PLと相談してから運用して欲しい。

 


▼環境

 レギュレーションは初期作成・フルスクラッチを想定。

 使用するルールブックは「基本1」「基本2」とする。

 なぜなら、このビルドは「ヴァリアブルウェポン」がリミットエフェクトになってしまった「エフェクトアーカイブ」環境ではないほうが使いやすいからである。万能の天才であるノイマンを含めるビルドである以上、こういったコスい環境の変化にも目敏くあるべきと言えるだろう。

 

 

▼シンドローム

「ノイマン」

 素直にブラックドッグやモルフェウスなどと組み合わせて武器をエフェクトで調達したほうが良いのではないかと思われるかもしれないが、実はそれはそれでエフェクトの頭数が増えてしまうため、経験点でみると大差がないのである。無論、調達の手間がなくなるため、他のビルドの方が安定性は圧倒的に高いが、その分、購入さえできてしまえば、こちらの方が初速が早いのである。単純火力だけでみても、何も考えず、雑に「スナイパーライフル」を三本買うだけでも11×3=33というデタラメな攻撃力が侵蝕率制限なしで実現できる。ピュアボーナスも加味すれば100%突破で更に三本持って攻撃力66である。命中値も「スナイパーライフル」は補正が0であるため、問題なく稼げる。「常勝の天才」などの優秀なピュアエフェクトに手が伸ばせるという点も嬉しい利点である。とはいえ、装甲無視の不在やミドルの不自由さなどはやはり無視できない欠点であるため、それらを欲する場合はクロスかトライを選択した方が良いだろう。

 


▼能力値・推奨ワークス ・技能

能力値:「肉体1・感覚1・精神6・社会2」 肉体に1振って10点経験点追加

ワークス:「レネゲイドビーイングB」 ルルブ2記載

技能:「初期取得技能+射撃Lv3+調達Lv4+情報Lv1」 15点経験点追加

 

 能力値0の穴が二つ出来る関係で、必ず10点ここで使わなければいけない。今回は感覚の穴を埋める「レネゲイドビーイングB」を選択した。「レネゲイドビーイングA」でもいいが、好みである。また、今回は推奨ワークスはこの二種だけである。理由は簡単であり、「オリジン:サイバー」がこのビルドには必要だからである。

 また、今回は調達を確実に成功させるため、調達Lvを初期作成最大値のLv4まで上げている。戦闘面でも当然ながら固定値が欲しいので、射撃Lvも1+3で初期作成最大値のLv4まであげている。

 


▼エフェクト

「ヒューマンズネイバー」 Lv1

 レネゲイドビーイング自動取得エフェクトその1。

 ゆくゆくは「カウンター」を握りたい為、暴走耐性は有益である。

 

「オリジン:サイバー」 Lv4

 レネゲイドビーイング自動取得エフェクトその2。

 このビルドを成立せしめるミドル最終兵器。

 購入判定はマイナーとメジャーを一度ずつ行えると裁定されている。

 つまり、これも問題なく使える。

 これを起動してから購入判定を行えば固定値は8+4で12スタートである。

 これにダイスがつけば購入達成値を概ね17以上くらいまでは稼げる計算になる。

 さらに、調達Lvを4まで上げている関係で常備点が追加で8点懐に入っている。

 元々の社会能力値は2であり、その分の4点と合わせれば、合計で8+4=12点。

 これをそのまま持ち込めば、後出しOKの消費型固定値が12点ある計算である。

 財産点は判定後の後出しでもOKと裁定されているので、やはりこれも問題ない。

 つまり、購入値19の「スナイパーライフル」を6本程度は何とか買える。

 値にまだ不安がある場合は、どこかしらをきってLvをあげるといい。

 目下、候補先は「ヴァリアブルウェポン」のLvである。

 そんなに持てねぇよボケって方は適当にLvを調節しよう。

 また、副産物として情報収集判定に強いという利点も獲得している。

 全ての情報判定に対して+8の固定値がつくため、情報収集では無敵である。

 

「コントロールソート」 Lv1

 頭でっかちなノイマンの戦闘能力を支える置換エフェクト。

 今回は射撃を選択している。

 ピュアのお陰で高まっている精神能力値をそのまま攻撃判定値にする事が出来る。

 これが無ければ話にならない。

 

「コンセントレイト」 Lv2

 いつもの。

 準備さえ済めばミドル戦闘でも強いビルドなので、Lv3にしてもいい。

 

「マルチウェポン」 Lv1 

 今回目玉の二刀流エフェクト。

 何らかの事情で武器が二本しか準備出来なかった場合はこれで我慢する。


「ヴァリアブルウェポン」 Lv3

 今回目玉にして本命の六刀流エフェクト。Let's Party!

 武器を六本持ったから威力も六倍という、実に頭の悪い算術を現実にしてしまう。

 常識など、常人の持つ偏見に過ぎないのだと我々に力強く示唆してくれている。

 どうやって撃ってんだとかいわれても、筆者は天才ではないので分からない。

 人体学的問題はともかく、順調にスナライを揃えれば11×6で66点である。

 100%未満でも5本握る事が出来るので11×5で55点である。

 常人には想像もできない天才的な発想で、諸問題を何とかしているのだろう。

 今回に限れば、そもそもハナから人間ではないので何の問題もない。

 

「零距離射撃」 Lv1

 今回持つ予定の「スナイパーライフル」は同一エンゲージに攻撃が出来ない。

 その為、間合いを詰められた際の保険として持っているエフェクトがこれである。

 だが、これは命中ダイスを増やす効果もあるので、むしろ近寄ったほうが強い。

 六本の「スナイパーライフル」を担いでガンガン間合いの内側に入って行こう。

 とはいえ、200mの長射程を捨てるのが勿体無いというのも全く分かる話である。

 射程を生かしたいと考える場合は、あくまで保険とだけ考えると良いだろう。

 


▼アイテム

 購入判定で確実に「スナイパーライフル」を購入したいため、何も常備化していない。「手配師」を持つという手もあるが、今回はダイスより固定値を優先して取らなかった。固定値1よりダイス3個のほうが良いという方はそちらをいくつか持つといいだろう。実際、2,3個持つのはそれほど悪い選択ではない。

 

 

▼Dロイス

 レギュレーションの関係で取得していない。

 もし、採用できる環境であるなら、「複製体」などで余所から装甲無視エフェクトを取ってくるといいだろう。もしくは「超血統」を「ヴァリアブルウェポン」に叩き込み、恐怖の八刀流を実現するという手もある。八回もどうやって購入判定するんだよというクレームは受け付けない。

 

 

▼運用

 まずは、何としても六回購入判定を行って「スナイパーライフル」を六本購入する。最低でも一本は購入しなければ非武装であるため、ミドル戦闘すら出来ない芋虫である。芋スナですらない。許されるならオープニングシーンから、もういきなり購入判定を行っていきたい。情報があろうがなかろうが購入はできるのだ。何でもいいから物を買わせろ! 俺はノイマン様だぞ! UGNめ! 費用で武器くらいは準備しろ!!!

 無事、なんとか六本武器を購入出来たら、積極的に情報判定にも参加していこう。「オリジン:サイバー」と豊富な財産点のお陰で、情報収集が主なミドルシーンでは無敵の存在である。侵蝕率に注意しながら情報を集めたり、仲間に武器を買ってあげたりしよう。調達を何度もやる関係で侵蝕率は上がりやすいが、どうせ戦闘すりゃみんなあっという間に侵蝕率があがるのだから些事である。また、どうせ購入判定が得意なのだから、武器ついでに防具を買うのも賢い選択である。狙い目は射撃判定にボーナスがつく「シューターズジャケット」である。装甲欲しさに「乗用車」あたりを買うのも悪くない。仲間も同乗できるため射撃PC同士なら、二人で乗用車の窓から銃を突き出し、体制に逆らう不届き者共を撃ち殺すという、まるで紛争地帯のような殺伐としたロールプレイが楽しめる。

 戦闘は武器が揃っているなら適当にフルコンボ叩き込んで殴るだけである。また、侵蝕率がキツい状況であるなら、「ヴァリアブルウェポン」はつけずに「マルチウェポン」までで殴るなども考えよう。二刀流でも攻撃力22なので、最後に削りきることが目的ならこれで十分である。

 


▼カスタム

 まず、「そんなに調達できねぇよ」というクレームは全く正当であるため、もうちょっと「ヴァリアブルウェポン」のLvを下げるという手はアリである。また、「俺はダイスつええから」って人は「オリジン:サイバー」を抜いて「オリジン:プラント」などに差し替え、戦闘能力を優先するという手もあるにはあるが……個人的には厳しいと思われるので、あまりお勧めしない。ただ、調達する武器のグレードを下げるなら、調達技能Lv4だけでも十分なものを購入すればいいだけなので、そういう場合は「オリジン:サイバー」を別の物と差し替えても問題ないだろう。

 


▼成長

 まず、最初にやりたいことは「常勝の天才」を取得し、一気に最大Lvまであげきることである。100%突破の暁にはLv8×4で32点の攻撃力増加が自分以外の全てのアタッカーに掛かるというのは破格である。例え自分以外のアタッカーが一人しかいないとしても、爆発的なダメージを稼ぐ事が出来る。

 その後は、適当に選択していく。

 購入がまだまだ不安な人は調達技能をガンガン上げていこう。そのうち1本くらいは「スナイパーライフル」が常備化できるようになるので、遠慮なく常備化してしまおう。その頃には恐らく、調達技能Lvが最低でも8くらいになっていると思われるため、「オリジン:サイバー」と合わせれば2本目以降のセッション中購入も悠々行えるはずである。

 命中を安定させたい場合は射撃技能Lvをあげるか、「コンバットシステム」を取得するかすると良い。「コンバットシステム」はダイスの上昇係数がLv+1の優秀なエフェクトであり、基本的にはこれだけで命中ダイスは確保できる。もっとも、「零距離射撃」のLvを上げれば射程以外は全部解決するため、別にこちらでも良い。戦闘中のマイナーは丸ごと空いているため、戦闘移動して素直に敵に近づいても良いのだ。

 さらに攻撃的に「カウンター」などを握るのも悪くない。使う機会が限られるエフェクトではあるが、相手の行動を潰しつつダメージを与えられる強力なエフェクトである。しかも「カウンター」はリアクションでありながら、メジャーアクションのエフェクトと組み合わせられるため、機会が訪れずとも問題なく自分の手番で攻撃する事が出来る。「インタラプト」と合わせて取得すれば、ボスの攻撃でも叩き落とすことはそう難しくなくなる。

 ユーティリティを優先する場合は、色々と選択肢がある。まず、「常勝の天才」とあわせて使える「戦術」や「ファンアウト」にはじまり、他者への万能ダイス支援である「支援射撃」、100%制限ではあるが強力な固定値増加エフェクトである「勝利の女神」と選り取り見取りである。よりミドルの判定を安定させるために「天性のひらめき」などを取るという手もある。「コンセントレイト」を噛ませればLv1でもC値を7まで低下させる事が出来る。無論、GMさえ許すなら、あらゆる状況で活用できる「インスピレーション」も有力候補である。

 ノイマンはエフェクトが支援寄りな関係で、経験点さえあれば見ての通り色々出来るので、是非とも諸氏等好みの自由な天才をビルドしてみて欲しい。

 

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