バロール×オルクス「オーバーロード型射撃アタッカー」


●クロスブリード射撃攻撃型

▼コンセプト

 もし、諸氏等が立派な和マンチであるのなら、「なんでその組み合わせで射撃……?」と思われるかもしれない。実際、筆者も和マンチ方面の人間なので、恐らく自分でこの組み合わせの射撃アタッカーを使う事はないだろう。だが、今回は「バロールの斥力の矢を軸にした射撃系ビルド」という要望が投書されていた為、無理矢理捻りだしたのがこのビルドである。一応、丸きり強みがないわけではないので、安心して読んで頂きたい。

 

 

▼環境

 レギュレーションは初期作成・フルスクラッチを想定。

 使用するルールブックは「基本1」「基本2」「上級ルールブック」「エフェクトアーカイブ」とする。

 また、「エフェクトアーカイブ」を採用する以上、エフェクトは全て「エフェクトアーカイブ」による改訂後の記述に準拠するものとする。

 

 

▼シンドローム

「バロール×オルクス」

 今回は「斥力の矢」を使ってほしいという事なのだが、諸氏等も知っての通り、このエフェクトは別段高性能なエフェクトと言うわけではなく、メインに据えるにはイマイチ力不足なエフェクトである。だが、エフェクト作成武器としては珍しく攻撃力の上昇係数がLv×2であり、射程も視界である。そのため、移動の必要がまるでなく、さながらRCの様に運用が可能であり、尚且つ、ぶっ壊しても作成が容易な武器であるため、アイテム自壊系のエフェクトと相性が良いのである。そこで、白羽の矢が立ったのが、オルクスが所持する強力な武器自壊ペナルティつき攻撃力上昇エフェクト「オーバーロード」である。今回はこの2つのエフェクトを主軸にして、このビルドを組んでいく。

 此処まで読んだ和マンチの諸氏等の中には、「その運用なら火力が確保できればいいのだから、相方には感覚能力値確保も兼ねてエンジェルハイロゥを採用し、「斥力の矢」のLvを抑えて「マスヴィジョン」で火力を出せばいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、「マスヴィジョン」は100%制限エフェクトかつ、クロスブリードでは最大Lvが3であるため、100%でも稼げる火力は20点である。「斥力の矢」Lv1の分とあわせても24点。ところが、「斥力の矢」Lv5と「オーバーロード」でも、「斥力の矢」で100%時点で12点稼いで、「オーバーロード」で2倍にすれば24点であるため、実は一緒なのである。経験点は「マスヴィジョン」採用より10点程多く喰ってしまうのが難点なのだが、こちらは利点として、「オーバーロード」が80%制限であるため、初速が早く、ユーティリティの面でも、「妖精の手」や「瞬地」などを所持するオルクス固有の強みがあるため、決して悪い選択肢ではないのである。無論、エンジェルハイロゥには高い感覚能力値補正と「ピンポイントレーザー」という強みもあるため、選択肢に上がらないわけではないのだが……その場合は、「斥力の矢」を採用する理由もなくなってしまうため、今回はオルクスを選択した。

 また、「オーバーロード」さえ引っ張れればいいのだから、相方はウロボロスでも構わないどころか、そもそもウロボロスピュアにして無理矢理「斥力の矢」までコピーエフェクトで引っ張ってくるという手もあるのだが……今回は面倒かつ「インフィニティコード」を採用しているわけでもないので、ウロボロス採用は見送った。

 何より、流石にそこまでやってしまうのは、幾らなんでも無体である。

 

 

▼能力値・推奨ワークス ・技能

能力値:「肉体1・感覚2・精神3・社会3」 経験点追加なし

ワークス:「レネゲイドビーイングA」 ルルブ2記載

技能:「初期取得技能+射撃Lv2+情報Lv1」 5点経験点追加


 今回、ワークスは肉体能力値0の穴をボーナスで埋められ、尚且つ射撃技能を所持している「レネゲイドビーイングA」を選択した。勿論、「オリジン:プラント」が欲しいからである。ただでさえ感覚の値が低く、「斥力の矢」もデフォルトで命中に-1がついているため、少しでも射撃技能達成値を稼ぎたいのである。「UGNチルドレン」を採用してDロイスに「精鋭」をつけるという手もあるのだが、今回はタダで手に入る「オリジン:プラント」と自由なDロイス選択に目が眩み、「レネゲイドビーイングA」を選択した。

 無論、経験点追加も出来る限り行っており、射撃Lvを2追加してLv3にしている。本当はLv4まであげたいのだが、経験点が足りない。余った1は適当に情報に振っている。



▼エフェクト

「ヒューマンズネイバー」 Lv1

 レネゲイドビーイング自動取得エフェクトその1。

 おまけでついてくるだけなので、特筆する事は無い。

 

「オリジン:プラント」 Lv4

 レネゲイドビーイング自動取得エフェクトその2。

 命中値を稼ぐためのメインエンジンである。

 オリジン系すべてに言えることだが、初期取得無料である点がとても嬉しい。

 

「斥力の矢」 Lv5

 今回の主役である射撃武器作成エフェクト。御世辞にも高性能とは言えない。

 だいたいの場合は、普通に武器を買う方が費用対効果に優れている。

 しかし、普通の武器は壊れればそれまでだが、これはぶっ壊れても作り直せる。

 こればっかりは、普通の武器には真似できない芸当である。

 この点を生かす事こそが、武器作成エフェクトの活路となる。

 無論、手ぶらで出歩けるという点も、RP的には一種の利点である。

 

「瞬速の刃」 Lv1

 起点となる優秀な射撃攻撃エフェクト。

 係数がLv+1であり、とても優秀な命中ダイス増加エフェクトである。

 ダイスがまるで足りていないこのビルドでは非常にありがたい。

 本当はもっとLvを上げたいのだが、今回はオリジンにLvを回している。

 固定値よりダイスを優先したい人はこっちのLvをあげるといい。

 

「コンセントレイト(バロール)」 Lv2

 いつもの。

 特筆する事は無い。

 

「妖精の手」 Lv3

 言わずと知れた最強クラスの万能支援エフェクト。

 今回は主に自分の低命中率をフォローするために使う。

 とはいえ、無論味方に投げても良い。

 ドッジなどに投げられるところも、さりげなく嬉しい点である。

 

「オーバーロード」 Lv1 80%制限

 今回のメイン火力。

 雑に武器攻撃力を2倍にして、ペナルティとして雑にぶっ壊す。

 だが、エフェクト作成武器ならまた作りなおせば良いだけなので、問題ない。

 

「時の棺」 Lv1 100%制限

 おお、良心なら持っていたとも。

 だが、残念。どこかに置き忘れてしまったらしい。

 


▼アイテム

 特に必須と言えるものはないので、好きにしていい。

 おすすめは、そのまま何も常備化せず、財産点をセッションに持ち込む事である。

 


▼Dロイス

 特に指定はないので、好きな物を採用すれば良いが、強いていえば、ただでさえ低い感覚能力値を多少フォローできる「実験体」などがおすすめである。また、バロールの装甲無視エフェクトは使い辛いので、「複製体」で余所から拾ってくるという手もある。

 


▼運用

 最初に「オリジン:プラント」と「斥力の矢」を使って武器を作成しつつバフをつみ、あとは「瞬速の刃」+「コンセントレイト」で遠距離射撃を繰り返すだけである。命中値が足りない場合は「妖精の手」で無理矢理稼ぐ。そして、侵蝕率が80%を越えたら、満を持して「オーバーロード」による最大コンボを叩き込む。

 また、社会能力値がそれなりにある関係で、ミドルの情報収集もそこそこ出来る。こちらでも「妖精の手」が大活躍だが、使い過ぎると戦闘で使えなくなるため、戦闘外での使用はほどほどにしておこう。

 


▼カスタム

 正直、余りいじる余地がない。

 せいぜい、「オリジン:プラント」と「瞬速の刃」のLvをお互いに融通し合う程度である。

 あとは、強いて言うなら、「妖精の手」や「時の棺」は強力だが必須ではないため、これらをオミットして、浮いた経験点を装甲無視の「暗黒の槍」や範囲攻撃の「因果歪曲」といった、他のユーティリティに回すという手もある。無論、妨害や支援に手を付けてもいい。セットアップだけでも「灰色の庭」、「空間圧縮」、「赤方偏移世界」など選り取り見取りである。ダメージコントロールを優先して「孤独の魔眼」や「領域の盾」を取得するという手もある。もしくは、素直に「オリジン:プラント」や「瞬速の刃」などの命中補助に回しても構わない。火力方面では「完全なる世界」なども「エフェクトアーカイブ」環境なら非常に優秀なエフェクトであるのだが、シンドローム技能である点が問題であり、追加で何かオルクスの射撃攻撃エフェクト(具体的には「形なき剣」など)をとらなければならないのが難点である。とはいえ、一つでもオルクスの射撃エフェクトを噛ませることができれば、優秀なシンドローム技能エフェクトである「アニマルテイマー」や「要の陣形」なども噛ませる事が出来るようになるため、将来的にはそれほど悪くない選択肢である。

 

 

▼成長

 当然ながら、まずはもっと命中値を稼ぎたいので、最優先で「瞬速の刃」のLvや射撃技能Lvをあげていきたい。

 それが済んだら、カスタムの項でも紹介した便利エフェクトを取得していくのが無難である。火力をもっと稼ぎたい場合は「巨人の斧」などを採用する。無論、命中ダイスの低下ペナルティがあるため、命中値稼ぎが終わってからである。他にも、射程が視界であることを利用して、「斥力跳躍」や「縮地」で引き撃ちするという手もある。

 また、ハッキリ言って純粋なアタッカーとしては伸び代があまりないビルドなので、ユーティリティを優先して、メインプロセス外で使用できる支援エフェクトをとっていくのも賢い選択である。特に「力の法則」などは自分にこそ使えないが、大係数の攻撃力増加エフェクトであるため、低係数の自己ダメージ増加エフェクトをとるよりも、よっぽどダメージ効率が良い。

 

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